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至高のエンタメ小説 - 『クリスマスのフロスト』 part1 「序章〜日曜日」

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内容(「BOOK」データベースより)

ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。日曜学校からの帰途、突然姿を消した八歳の少女、銀行の玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物…。続発する難事件を前に、不屈の仕事中毒にして下品きわまる名物警部のフロストが繰り広げる一大奮闘。抜群の構成力と不敵な笑いのセンスが冴える、注目の第一弾。

さて、今日から読み進めていくのはこちらの本です。

実は私、以前読んだことがあるのですが、内容はほとんど忘れてしまっておりまして、唯一確かなのはめちゃくちゃおもしろかったことだけという状態です。

当時いろんな友人にしつこく勧めた記憶がありますが(笑)、一人の例外なく、次の巻も読みたいと言わしめた作品です。

内容紹介には「不敵な笑い」とありますが、正しくは大爆笑エンタメ小説です

といっても、もちろん物語展開も秀逸です。謎が謎を呼んで、続きが気になって仕方なくなりますし、伏線が回収されていくあの快感も多分に味わえること請け合いです。

今から読み始めたらクリスマスまでには読み終わるかなーということで、今回もう一度読んでみたいなと思いました。

主人公であるフロスト警部のウィットにとんだ下品なジョークが最高でして、電車などの公共の場で読むのはオススメしません。少しずつ紹介していきながら読み進めていきたいと思っているので、このユーモアにはまった方は、是非手元にご用意いただいて、一緒に読んでいきましょう!

序章

深夜、警察にパウエルという男から緊急通報。その電話越しから、今にも殺されそうな状況ということが分かります。

一刻の猶予も許されない状況。ハラハラしますね。警察急いでほしい。

パトカーが3分で急行。2人の警官の冷静さの裏に、緊張感が伝わってきます。

思い切って現場に踏み込む。

すると、ソファーに通報者のパウエル。そして床の上に一人、瀕死の男が転がっています。よく見るとそれは、

フロスト警部。

えっ、どういうこと!? 主人公が初っ端から殺人未遂で返り討ちに遭って死にかけてる!?

この後話続けられるの? と思ったら、本章はこの4日前から始まるみたいですね。そうだった、思い出してきました。

昔の映画ドラえもんの序盤のような、ピキッと緊迫した雰囲気で幕をあけました。一気に世界観に引き込まれますね。

日曜日

今作のフロストの相棒になるクライヴが登場。でもこの人ちょっと滑り気味なんですよね(笑)。曲がった事が大嫌い(鼻はひしゃげてるけど)な一本気な性格が漂ってますね。

警察長の甥ということで、裏でも表立っても皮肉を言われまくります。が、上の強気な一言で、迎えに行ったシムズとジョーダンから少しの好感を勝ち取ります。クライヴのこの鼻っ柱の強い性格が(鼻っ柱ひしゃげてるけど)、周りの皮肉をユーモアに変えくれますねー。

それと、アップヒル夫人に事情徴収をしているときにクレイヴが悶々としているのは大いに共感できます(笑) なーんかアップヒル夫人、やたら色っぽいですもんね。

章の最後の方には、少し伏線が敷かれていますね。去年教会の界隈で誘拐未遂があったとか。忘れないようにしよう。

ただ、フロストがまだ登場しませんでしたね。焦らすな〜(笑) でもこれが、たまーにでてくる工藤新一みたいな格好良さを演出するんですよね。

「ぼくのほうから迎えにきてくれと頼んだ覚えはない。それに、おたくらが考えているように、ぼくが伯父のおかげで特別扱いを受けてる身だとしたら、もっとましな配属先を選ぶことだってできたはずだ。ぼくは、わざわざこんなこえ溜めみたいな僻地に配属を希望するほど物好きじゃない」

やり方はどうあれ、現状が苦しかったら、多少強引にでもクライヴみたいに自分から打開していく強さがあればな〜と思います。

次章はいよいよフロスト警部が登場すると思います。騙されたと思ってご一読ください!

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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