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素材が命! - 『超スピード文章術』 part 3 「第1章 10倍速く書ける「素材文章術」

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さて、いままでは言ってみれば前置きでした。今回から本題です!

part 2 はこちら

素材の3要素「独自の事実」「エピソード」「数字」

素材が最も重要ということは、この段階で既に何度も繰り返し述べられていました。

ここからは具体的に「素材とは何か」について言及していくようです。

「どう書くか」より「何を書くか」

上坂さんの経験から、感動するスピーチは、話し方の巧みさなど全く関係なく、その人にしか話せない内容による、ということが述べられています。

私の父も相当な口下手なのですが、やはりいくつか心に残っているスピーチがあり、納得のいくところです。

さて、その内容、つまり文章の素材とはどんなものか。

ここでは、

  • 独自の事実
  • エピソード
  • 数字

が示されています。

素材があれば400字は10分で書ける

上坂さんの著書の中から400字程度の文章が抜粋されており、その文のためにどういった素材を用意していたか、が、羅列してあります。いくつか紹介すると、

  • ヨーロッパで船積みされたワインは、2ヶ月かけて日本に運ばれる
  • 冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアを通過する

このような文が7つ。

これですよ! こういうのが知りたかったんですよね。プロのライターの実際の文章作成過程。ここを読めただけでも、この本にお金を払った価値がありました。

独自性のあるストーリーや事実に、出来るだけ数字を取り入れた簡素な文を羅列していく、という感じでしょうか。

文章は素材が9割

ここからは、上坂さんの作品以外の文章が紹介してあり、誰の文章であれ、実際に素材が意識されている、ということを立証していくようです。

新聞記事は「9割以上」素材でできている

実際に新聞記事が紹介してあり、その文章から、用いられたであろう素材を抽出してありますね。

「素材」を念頭に入れて読んでみると、新聞記事が、箇条書きの素材を繋ぎ合わせただけの文章のようにみえてきます!

ふと思ったのですが、数学の因数分解のように、こうしてプロの文を構成する素材を抜き出す、という作業は、素材を意識する訓練になるかもしれませんね。

企画書は「素材だけ」で書ける

次は、実際に使われた企画書の内容が紹介してあり、例に習って、使用されたであろう「素材」が羅列してあります。
解説から少し抜粋。

とりわけ企画書は、書き手の思いが強ければ強いほど、「よく思われよう」と思うあまり、内容を「盛って」しまうことがあります。説明しすぎたり、書きすぎてしまいがちになる。
しかし、企画書の読み手が知りたいのは、「どんな課題をどのように解決するのか?」ということです。それを補強する必要最低限の素材さえあれば、企画書は書けます。

今までずーっと「素材」ばかりが推されていましたが、ここで「課題の解決」というワードが出てきました。当然のこと故にサラッと書かれているのかもしれませんが、私は個人的に忘れがちな部分なので、問題意識を持つ、というのは大事にしたいところです。

料理の例えは・・・必要ですかね?

「うまい文章」など書く必要はない

『今まで散々言ってきた「素材をベースにして書くだけ」の文章って、確かに早くは書けるかも知んないけど、面白くなくなるんじゃない? 』という疑問に反論していく回のようです。

ビジネスパーソンが目指すべきは、「わかりやすくて、読者に役立つ文章です。

「魅力的な素材」は料理しない

上坂さんのコピーライター時代に、上司に指導された内容が

「わかったようで、わからない言葉を使うな」

ということで、これは深いですねー。

順番前後しますが、人材募集キャッチコピーの、やってしまいがちな失敗例が紹介されています。

「当社は、とてもいい会社です」

これ、ダメなのは分かるけど、いざ「どこがダメなのか」と聞かれると、ちゃんと答えるのは難しいと感じました。そして以下の文。

「5年間、社員が一人も辞めていない会社」
「有給休暇を毎年全員が100%消化している会社」
「社長が年度末に金一封をくれる会社」

読者が知りたいのは、そうした「具体的な事実」です。

いやー、お恥ずかしい。今まで散々「素材が最重要」と念押しされてきたのに、いざキャッチコピーを考える、となったら、上手いお洒落な言い回しばかりを考えてしまっていました。

ここでもやはり、目的と、それに応じた素材が活用されています。こうすることで、単に人が多く集まるだけでなく、お互いのニーズがマッチする確率が高まりそうですね。

自分が書いている文は、ちゃんと具体的なのか、それとも言い回しでそれっぽく見せているだけの抽象的な文になっていないか、逐次確認したいところです。

長い文章を速く書く方法

今度は、『短い文章なら素材だけでも通用しそうだけど、もっと長い文章は難しいんじゃない?』という疑問に反論していくようです。

文章は素材を用意できたらほぼ完成

題がずいぶん言い切ってますね。

さて、ここでも上原さんの実際の文章が紹介されています。ただし、今度は1300字の長文。

これに要した時間は30分ほど、とのことです。

読んでみると、やはりほとんどの部分が「素材」なのが分かりますね。

ただし、所々に、

  • まとめの解説
  • 素材の強調

といった、素材ではない文章も入っています。このような素材以外の部分をどう速く書くかは、6章にあるようで、気になっちゃいますよね。

・・・急ぎます(笑)

「どう書くか」より「何を書くか」が、はるかに重要です。
大切なのは、文章の「表現ではなく、文章の「中身」だということです。

兎にも角にも「素材が命」ということですね。その念の押しようにはすごいものがありました。

そして素材とは、

  • 独自の事実
  • エピソード
  • 数字

これらを明日から意識していって、自然とできるようになっていきたいですねー。

 

10倍速く書ける 超スピード文章術

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