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物語が動き出す - クリスマスのフロスト part 3 「月曜日 3 〜 4 」

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ありゃ〜、過ぎちゃいましたねークリスマス。 まあでも海外では1月半ばまでクリスマスムードらしいですので、それくらいまでに終えればぎりぎりセーフという説があるとかないとか。

・・・ないか。

part 1 はこちら

part 2 はこちら

月曜日 3

フロストがようやくマレットに執務室に出頭したところからですね。

もう、マレットとフロストのやり取りにはハズレがないですねー! どちらのキャラも最高に立っています。

フロストが服装のことを指摘されて、

失礼にもほどがある!

と逆ギレするのは最高でした(笑)

そしてクライヴとフロストの顔合わせです。

まだクライヴはおとなしいですね。圧倒的なフロスト節。クライヴのド派手スーツのくだりで貪欲に笑いを取っていきます。

話の中ではアレン警部とフロストの会話も初お披露目でしょうか。

「おや、おれはまたてっきり、もう昇進したのかと思ったよ」フロストはそれだけ言うと再び椅子に腰を落ち着けて、吸いかけの煙草を最後まで味わった。

この皮肉で、対照的なこの二人の関係性がわかりますね。フロストがアレン警部の心を見透かしている感じもします。

そして、無駄話を交えつつ、フロストとクライヴがアップヒル夫人の捜索。

冒頭もそうですが、アップヒル夫人の視点で描かれている部分があるので、彼女が犯人ではないことが分かってしまいますね。それがミステリー的にはちょっともったいないかなーと思いました。

もっとも、それによって生まれるユーモアがあるのでしょうが。

で、捜索中にクライヴが大きな人形を見つけた時、フロストがまた皮肉を言うかと思いきや、

なんとまあ、本物そっくりじゃないか

というセリフをいうに留めます。これがあんまり意味が分からなかったんですよねー。分かる方おられましたら是非コメントで教えてくださいm(__)m

捜索中にアップヒル夫人が勘付いて、ヒステリーを起こすかな? というとき、フロストが過去の悲惨な事件の経験を交えて捜査の必要性を説明します。これは、普段とのギャップも相まって少し感動しますねー。クライヴも関心の様子。

が、直後のフロストのやっぱり疑っとるやん!という台無し発言で、心中で毒づきまくります(笑)

そしてフロストがアップヒル夫人に詰め寄る場面。トレーシーの父親と、事件当日の客の情報を聞き出します。この2人も、今後物語に大きく関わってきそうです。フロストたちがこれから客を特定していく過程も見所ですね!

月曜日 4

最寄駅で駅員から話を聞きます。フロストと駅員は顔見知りみたいですね。

「この怠け者どもときたら、英国鉄道から腐るほど給料を貰ってるくせに、便所の掃除をさぼって、年がら年じゅう、お茶ばかり飲んでやがるんだ」 「あんたが使ってから、まだ一週間もたってないじゃないか。恐くて誰も掃除に入れないんだよ」

このやり取り、お腹がよじれるほど笑いました(笑)

このあたりから、いままで置かれてきた物語のコマが徐々に動かされてきましたねー。ますますおもしろくなっていきそう。

警察署に戻ってアレン警部と喧嘩になります。アレン警部も苦労してるんでしょうねー。

で、レフィントンの分署からの連絡。学校の先生だったかー。スキャンダルの匂いがします(笑)

少し順調すぎというくらい、気持ちよくトントン話が進んで、読んでるこっちも気分が良くなってきますねー。

クレイヴがフロストのタバコを取りにオフィスに走ります。少ーしだけ、フロストの過去が垣間見れましたね。

そして、視点はファーナムに移ります。 この緊張感!!!! そして安堵感・・・ 苦しくなるほど共感してしまいました(笑) わたしなどの自分を出せない根暗人間は人生で何度か通る道でして(笑)

で、おそらくまたファーナムがつまらない嘘をついちゃいましたね。それでまたもや窮地に立たされます。警察相手なんだから、正直に言っとけばいいのに・・・ そこまでしてつかなければならない嘘だったのかは、今後明らかになっていくんでしょう。

今回の名言

「あいにくなことにおたくの敬愛するボスがそこにいたら、ちょっと代わってほしいんだが……? 風呂に入りに帰った? ふむ、やっとその気になってくれたか。なにね、おれは別に身だしなみにうるさい男じゃないよ。それでも、ものには限度ってもんが……いや、やめておこう」

フロストがアップヒル夫人の客に話を聞きに行くシーン。お前が言うか! というセリフですね(笑)こうして見てみると章の始めもそうでしたし、フロストシリーズのジョークには服装ネタが多いのでしょうか。

さて、徐々に物語が動き始めてきました。ここからミステリー的なおもしろさが増えていくことでしょう。 乞うご期待!

・・・わたしが言うことじゃないか(笑)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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