笑いたい時に - 『クリスマスのフロスト』 part 5 「火曜日 1 〜 2 」
街からお正月ムードがなくなってきて寂しいですね。正月ボケから、よくもまあ、みんなスッと抜けられるなーと尊敬しちゃいます。
わたしはもうしばらく、残ったお餅を大切に食べながら、「年賀はがきの抽選日まではまだ正月」と言い張っていきます。
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火曜日 1
トレーシーの捜索のために、2人はオールド・ウッドの森にやって来ました。天気は大雪。朝からつらいですねー。
「おれが出張ると、空は決まって機嫌を損ねる」
(中略)
「これがアレン警部なら、太陽が輝き、ツグミが囀り、バンビが蝶々を追いかけているところだ」
軽口を叩いて士気を高めるフロスト(笑)
で、厳しい環境で捜索が続きますが、ここでフロストの、意外と鋭い観察眼が発揮されましたね(それともただの勘?)。小屋の中に死体を発見!
ついにトレーシーが?・・・と思わせて、違う人物。少し安堵しました(複雑ですが)。
死体の男はサムでした。以前、警察署でお金を返せと喚いていた、浮浪者の老人です。
再登場するとは。しかもこんな形で。こうなってくると、今後もこのサムの一件は、ストーリーに絡んでくるのでしょうか。
今度はトレーシーが通っていた教会に事情聴取に来ました。
ベル牧師が登場。うーん、人は良さそうですが、少し天然? という感じがしますね。資金難とは言え、流石に教会で心霊術の集いはダメでしょう(笑)
で、フロストが色々と質問をしていくわけですが、この人ちょっと怪しい? というところがポツポツありますねー。
「牧師さん、司祭館のなかを捜索させていただきたい」
(中略)
「それは困る!」
このシーン、なーんかデジャヴを感じるなー、と思ったら、アップヒル夫人の客で英語教師のファーナムも同じような断り方をしてましたね。後ろ暗いことがあるんでしょう。
強行的に操作をしていくと、怪しい長持を発見! ん? 長持って何? と思って調べてみました。こんなものらしいです。タンスの箱バージョン?
鍵を開けて、中を調べていくとぉ、・・・ポルノグラフィのオンパレード。あーほらー、やっぱりファーナムとおんなじようなパターン。でもこういうことにはフロストは寛容です。
しかし、オードリーがこの長持ちに寝そべる写真も出てきました。うーんこうなってくると、どうなんですかねー。トレーシーの失踪にも、この牧師が関わってるんじゃないかと疑ってしまいます。
その後、ベル牧師の奥さんが登場。この人も一風変わった人物の様で。
彼女は司祭館の居住スペースを案内すると申し出た。そして、昼食を一緒に食べていくように勧めた。フロストはシチュー鍋の中身をのぞくと、急いでその両方の申し出を辞退した」
鍋には何が入っていたんでしょうか(笑)
で、どうやらフロストの直感では、トレーシーはこの場所と無関係だということですが。果たして。
火曜日 2
アップヒル夫人の車と遭遇。それが気になりながらも、アーサーに話を聞きます。フロストは知らんぷりしていますが、実は昨夜、クライヴと、銀行の扉破損の犯人とおぼしき人物を目撃してるんですよねー。なぜ秘密にするんでしょうか。何か考えの上でのことなんでしょうけど。
「そいつはいい考えだ、アーサー。あんたのおかげで、でぶにも脳みそがあるってことが、よくわかった……」
しかし強烈な皮肉(笑) で、それを尻目に、アップヒル夫人が大量のお金を引き出すところを目撃します。
真っ先に頭に浮かぶのは、トレーシーが誘拐されていて、アップヒル夫人がこっそり身代金を渡そうとしている、という筋ですが、どうもフロストは違うシナリオを考えているようです。でも、アップヒル夫人が誰かをゆするとして、それは何のために? 話に深みが出てきましたねー!
警察署でマレットが喚いています。何かなー、と思ったら、やっぱり火種はフロストでした(笑)
捜査会議をすっぽかしていたと。それも2度目。これはさすがのフロストもあせりぎみですねー。
ひとつのことに集中したら、そればっかりになっちゃうんですよね。その気持ちは本当によく分かるのですが。
で、マレットの執務室に向かいますが、途中、警官がミッキーを連行しているところとばったり出くわします。ここでまた長話。早くマレットのところに行かなくていいのか(笑)
また忘れてミッキーの方に頭を突っ込むのかな、と思ったら、今度は違うようです。ちゃんとマレットのところに向かうようですね。
今度は直行かと思いきや、まず秘書のスミスに軽口を叩きます。この状況で、さすがフロスト(笑)
マレットが怒りに任せて口をパクパクさせている間、フロストは別のことをいろいろと考えて対処し、タイミングを見計らって、反省したような殊勝な顔をしてみせます。この小慣れた感じ(笑)
そして、その表情に心を動かされるマレット(笑) あれ? 段々とマレットのことが好きになってきました(笑)
で、マレットが、警察長から、霊媒師のマーサ・ウェンデルを頼ってはどうかという提案をされた旨を伝えます。えー!? 警察長は話がわかる人物なんじゃないかと思っていたんですが、この人も変人なのか!?(笑)
視点はミッキーに移ります。この人はちょっとかわいそうな感じもします。無実な気がするんですよねー。
フロストの尋問がスタートしました。うーん、やっぱり、バレる恐怖というより、冤罪を被せられる恐怖という感じがします。
が、ミッキーが日曜日のことをしゃべり始めました!! ・・・でも聞くと映画館がどうとか。やっぱりー。当てが外れたみたいですね。まあ別のことはやらかしていたということですが。
しかしフロスト、いじめっ子よろしく、口を開くたびに相手をおちょくります(笑)
「ひょっとしてあんた、まさか、このおれがこの子を……?」
「子ども絡みの事件で、おまえさんを無視するわけにはいかないじゃないか、ミッキー。お呼びがかからなかったら、気を悪くするだろう?」
さて、その取り調べの調書をウェルズに依頼しますが、その際サムのことが話題になります。ウェルズもなんだかんだで根はいい人ですよね。
で、フロストが今抱えているtodoリストが復習されています。これは読者にやさしい構成ですね。僕も大分こんがらがってきていたので。
やることをまとめた結論、クライヴの帰還後にフロストが向かうべきは、マーサ・ウェンデルの家となりました。彼女はどんな変人なんでしょうか(笑) その片鱗はいままで見せてきましたが。
クライヴが、アップヒル夫人宅から手紙を持ち帰ってきました。やっぱり脅迫状が届いていたようですね。
そこにマレットが登場。・・・何しに来たんだ?(笑)という会話だけして帰ります。
クライヴが使いに走る。何だかんだ言って、クライヴ、フロストの指示に忠実に従ってますよね。見直してきました。
で、フロストは自分が書いたメモを発見。これ、ファーナムの伯母に裏を取りにいくってやつですよね! 本人は忘れてますが。まぁこれだけ色々とやることが重なると、フロストじゃなくてもそうなりますよねー。これが悪い方に転がらなければいいのですが。
サンディと会食。記者に提供するようなネタがあったかなーと思ったのですが、ミッキーの話を提供しました。確かにこの話題は主婦の井戸端会議などで盛り上がりそうです(偏見)。週刊誌的ですね。
で、話は変わって店内の一人の女性の話題に。重要人物? と思いましたが、まんまと騙されました(笑)
「ほう、まだ現役で活躍中か」とフロストは言った。「おれが覚えている頃のシンシアは、実に気のいい女だった。(中略)そのへんの女どもみたいに、義理でやってやってるなんて顔はちらっとも見せなかった」
「それははるか昔の話だよ、ジャック。今じゃ、前金を要求する」
(中略)
「だったら、釣り銭を用意しといてほしいな」とフロストは言った。「一ポンド札しか持ち合わせがなかったときのために」
単なるプロの女性でしたー。いつものフロストでした(笑)
「それで、今後の手だては考えたかね、警部?」
「そう、まずはアップヒル夫人の家の電話に盗聴装置を仕掛けることかな。(中略)あ、そうそう、署長が彼女の馴染み客なんだったら、申告してくださいよ。そのあいだは、装置をオフにしておくようにするから」
今回は、至る所でフロストの良さが光ってましたねー。その分、相方のクライヴの影が薄かった気がしました。次回は、わたしが気になっているクライヴの恋愛模様の進展を期待しております!(笑)
- 作者: R.D ウィングフィールド,R.D. Wingfield,芹澤恵
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