泣きたい時に - 『クリスマスのフロスト』 part 6 「火曜日 3 〜 4 」
弟にブログを手伝ってもらうこととなりました。
クセ強めの文章ですが、たまに読む分にはぎりぎり胸焼けせず楽しんでいただけるのではと思います(笑)
よろしければご一読ください!!
part 1 はこちら
part 5 はこちら
火曜日 3
フロストとクライヴが、ウェンデルの家に向かうところからですね。相当険しい道のようです。会話の中に「死者の谷」という場所が出てきました。いかにもな名前ですねー。今後どう話と絡んで来るのでしょうか。
ウェンデルの家に着きました。風貌は魔女の鑑といったところでしょうか。自宅に何匹もの猫を匿っている様子。そういうおばちゃんって、日本だけじゃないんですね。ウェンデルはどんな情報を、どのように提供してくれるのか。・・・さっきからフロストと猫との陣取り合戦が繰り広げられていますね(笑)
さあ、いよいよ霊媒が始まりました。なんか思ったよりも大分それっぽいですね ! フロストと、特にクライヴは衝撃を受けたようです。・・・いや、やっぱりフロストは霊媒自体は信じていない様子。まあそりゃそうですよね。
退散するとき、クライヴが、ウェンデルの表情の変化を捉えました!
クライヴは、フロストのあとを追って玄関に向かいながら彼女の横を擦り抜け他とき、激しい憎悪に歪んだ醜い表情の奥に、もうひとつの表情を見て取った。マーサ・ウェンデルは怯えていた。ひどく怯えていた。
憎悪はフロストの一言が原因だとして、怯えていたのは、何に対してでしょうか。怪しくなってきましたねぇ。
外に出ると、早速、先ほどの予言の場所、死者の谷に向かいます。この時点で、フロストはもうウェンデルは誰か殺したと確信しているようです。トレーシーはここにはいない、とも。でも、勘、というのはすっきりしませんねー。僕も証拠の奴隷なので(笑)。
クライヴが茂みに何かを発見します。キャンディの包み紙。フロストは相手にしていませんが、これも今後の伏線っぽいですよねー。フロストに不都合が起きなければいいですが。
車に戻ると、アップヒル夫人に誘拐犯からの連絡があったとの無線が。犯人は今までに登場した人物でしょうか? おもしろくなってきました!
火曜日 4
署に戻って、通話の記録を確認します。
しかし、肝心な情報は結局残されておらず、途中でブツッと切れています。どうやら犯人の近くをパトカーが偶然通って、犯人を驚かせたようで。残念。・・・ん? 逆探知には成功したようです! これはせめてもの救いですね。
「よし、それじゃ、問題の男が戻って来るまで、そこで待機するように伝えろ」とフロストは言った。
司令室が無線を切るタイミングがわずかに遅れた。「ふん、簡単そうに言いやがって」というスピーカーからの声を最後に、交信は終了した。
貪欲に笑いを取ってきますねー(笑)
マレットが、死者の谷の発掘を指示します。なんだかんだで占いに食いつくのが、クライヴとそっくりですね。警察長を立てたいというのもあるでしょうが。
パシられて文句を垂れたクライヴを、マーティンが怒ります。かっこいいー。もっと目立ってもいいですよね、この人。
クライヴに、ファーナムの伯母へ裏を取りに行かせます。フロストは死者の谷へ。
「オーストラリアまで掘ったところで、なんにも出てこないだろうがね」フロストはのちに、その発言を思い出すことになる。彼の勘ははずれていた。大はずれもいいところだった。
なんですかー!? この神の声(笑) 著者はドラマの脚本をやっていたそうなので、本来こういう演出が得意なのかもしれませんね。勘、外れるんだってよ。
クライヴにあの婦人警官も連れて行くようにいいます。ヘイゼルっていうんですね。クライヴ嬉しそう(笑)今度は何か進展があるでしょうか。
クライヴが出て言った後、しばらくして、キースという巡査が入ってきました。どうやらフロストはそれを予見していたようです。場が改まりましたね。
「もし、あの金があったら、あの爺さんも一夜の宿を見つけられたかもしれない。そうすれば、まだ生きてられたかもしれない」
「おれたちは、あの爺さんが苦情を申し立てに来たときに、侮辱した。爺さんを困らせるようなことを言って、署から追い払った。そのことについては、おれだけじゃなく、おまえさんにも後味の悪さを感じて欲しいと思う。心ない仕打ちだったと後悔してほしいと思う」
「おれのところに相談に来ればよかったのに。こう見えても、おれはサミー・ジェイコブズなんかより、ずっと太っ腹だぜ。だが、まだ、話し足りないことがあるんじゃないかね?」
自分の金も盗られた上に、言い逃れようとした相手に対して、あくまで相手の立場から、やさしく淡々と諭していきます。こういう大人になりたいですね。キースはどれだけ救われたでしょうか。
で、そのやり取りから、相手の裏手に回れる重大情報を入手。ベリントン銀行の扉の謎が解けるかもしれませんね!
ウェンデルの予言を検証すべく、死者の谷にやってきました。過酷な環境で、不本意な作業を強いられているということで、チームはテンションだだ下がりです。そりゃそうですよね。
そんな中、何と人の手の骨を発見。当然の帰結として、ウェンデルが何らかの事件に関わっていると思われます。
それとは別に、ファーナムの伯母はこのところ甥と会ってないという証言が取れました。あとでファーナムを問い詰めに行く必要がありますね。
で、掘り出した腕ですが、掘り進めると鎖で繋がれていることが判明。進展がないばかりか、また難解な事件が増えるかも、ということで、フロストは、自然死ということにしておいてくれと医者に掛け合いますが、
「悪いことは言わない、検死官を呼びなさい。第一、雪が降ってるじゃないか。そういうときは、より多く給料を貰っているほうを呼ぶもんだ」
と突っぱねられます。医者もいいキャラしてますね(笑)
少し離れた場所から残りの骨もみつかり、いよいよことが大きくなってきました。
到着した鑑識チームが、鎖の先を掘り起こします。繋がれていたのは、金属製のアタッシュケース。戦時中の代物かもしれないとのこと。話が壮大になりすぎて、何が何やら(笑) フロストの手に負えるのでしょうか。
警察署に戻ってみると、統計用資料未提出の件で、気の毒にもマレットにどやされます。これだけ仕事を抱えていたら仕方ないですよねー
その後立て続けに、ジョニーから残業手当申請の書類について苦情を受けます。
これは辛い。自業自得と言ってしまえばそれまでですが、やはり親しい関係の相手からこういう事を言われるのはこたえますねぇ。
「おれは疫病神ってやつかもしれない。おれが手を出すと、なんでも必ずだめになる」
流石のフロストも、いつになく弱気になります。 その流れで、ジョージ十字勲章を授与されるきっかけになった事件について、話してくれました。
と、配達係の男とばったり鉢合わせます。きくと、今からでも残業手当の書類が(経理部の都合で)充分間に合うとか。おお、天の助け!!
フロストは、思わず汗ばんでいた。全身が温もりに包まれたような気がした。安堵というものが、こんなにも暖かなものだったとは……。
僕自身、同じ気持ちになりました。
その事をジョニーに知らせると、
いかにも嬉しそうに言った。「あんたもほんと、悪運の強い男だな」
よかったー、いやー本当によかった!!!!(笑)
謎の死体について新たに判明した情報を聞きに、科学研究所にやって来ました。少しずつ詳細が判明してきました。何10年も前の死体について、ひとつでも情報が得られるというのは、よく考えたらすごいですよねー。科学すごい。
これが今後、どうストーリーにからんでくるのでしょうか。
本日の名言
「キース、まあ聞け。おまえさんはおれのことを、役立たずの老いぼれだと思っている。たぶん、それは正しい」
今日は感動しました!! フロストの人物像が深められる、中でも見どころの章と言っていいのではないでしょうか!! 本当に様々な感情で心を揺さぶってくれる作品ですねー。
中盤を過ぎて、なお謎が増えていきますが、どう収束していくのか。楽しみですねー、それでは今後ともよしなに。
- 作者: R.D ウィングフィールド,R.D. Wingfield,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
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