【会話で書評】速さこそすべての解決策 - 超スピード文章術
お前この本最近やっと読み終わったらしいね。
そうそう。長かったー。これ一冊読み終えるのに3ヶ月近くかかったわ。
長すぎるわ! 今更マイクラにハマってんじゃないよ! お前取り憑かれたように一日中コントローラー握ってて怖かったわ!
いやーみんなが熱中するのわかったわ。あれはホントに神ゲー。BE1.9のアップデート早く来ないかなー・・・って今日はその話じゃないだろ! 本の感想!!
おおそうだった。で?
聞き方雑だな! まあ真面目な話、一番最初に実況する本としてこれを選んだのは正解だったなーと痛感したかな。
おお、絶賛だね。
そうだね。ブログを始めるにあたって、「ブログの書き方」みたいな本の、軽い執筆のやり方に何冊か目を通したんだけど、「どうも僕が書きたいのはこういうことじゃないんだよなぁ〜」という感じがして、なかなかしっくりくるものがなかったんだよね。
お前生意気だな。
それで、ブログに限らず文章術全般の本に視野を広げて探していたら、この本がたまたま目についたわけ。
へえ。どういうところが目を引いたの?
スピードにこだわった文章術の本、というところかなー。他のよくある「お行儀のいい作法」みたいな本と違って、スピード特化型というところがいいなっと思ったんだよね。
っていうのも、僕は書くのも読むのも本当に遅くて、自分が書きたい文章をもう少し早くかけたらなーという思って。
実際早くなった?
確実に早くなった! でも読み終えて実感したのは、本書の文章における効用は、スピード以外の多岐に渡ることだね。
っていうのも、スピードを早めることで、文章の構成やわかりやすさに時間を割けるようになるから、結果的に文章全般のスキルがあがることになる、という感じ。
なるほどね。
特に、執筆時に感じるストレスが激減したのは実感として大きい。
文章を書くのって、何を書こうかとか、どういう表現を使えばいいかとか、頭を悩ませることの連続でしょ。ただの長時間の単純作業と比べて疲労度が半端じゃなかったんだよ。
でも、この本は、実際に書き出すまでの準備を徹底的にしておくことで、いざ執筆を開始したら、ほぼ悩むことなくノンストップで書き終えれて。そこが個人的に1番のメリットだったね。ブログがストレスフリーになったというか。
その書き出すまでの準備って?
それが本書の核になってくるんだけど、本書はそこにめちゃくちゃ力をいれていて、7割くらいは、「素材集め大事!!」ということと、「素材集めのコツ」に割かれている印象。
文章を書き始める前の準備段階がいかに大事かを、まず徹底的に叩き込まれたわー。
へえ。でも念押しを何回もされるのって、ちょっと説教されてるみたいで嫌だな。
いやいや、そこがこの本の凄いところで、よくある実用書みたいに、ただ押し付けがましく「こうしろ!!」って感じて説教してくるんじゃなくて、「わたしが以前書いた文章はこういう素材をつかいました」っていうふうに、実例を惜しみなく放出してくれるんだよ。
私が2015年に書いた『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』(あさ出版)から抜粋します。
これも、私がネットメディアに寄稿した記事を実例にして紹介しましょう。
『ライザップはなぜ、結果にコミットできるのか』(あさ出版)という本を執筆するにあたり、(以下略)
こんな具合に。
おお、それは贅沢。
そうでしょー。何年間もライターをしていて、実際に何冊も本を出されているプロの文章を直々に紐解いてくれるわけだから、参考にならないわけがないんだよね。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。」
っていう山本五十六の言葉があるけど、「やってみせる」の比重が重く、読者が「これを自分でやってみたい」と思えるのが本書の特色のひとつだね。
なるほどね。で、7割が素材集めなら残りの3割は?
残りは、構成の組み方とか推敲の方法とか、ようは文章の構造の整え方だね。
そこには何か「これは!」と思ったことはあるの?
あるんだよこれが。もちろん、プロだな〜って感じの理論的なこともたくさんあるんだけど、その全部のベースには「徹底的な読者目線」があるっていう考え。独特でしょ?
読者目線? 大事なのはわかるけど、それが文章を整えることとなんの関係があるの?
人って、話して教えるときは、その人が理解できているかどうかを伺いながら、わかりやすく、時には繰り返して教えるよね。
文章も同じように、誰かひとり、ターゲットとなる人物をひとり想定して、その人に話しかけるように書くならどういう順番で素材を配置すればいいのか。こう考えれば、小難しい理屈はなくとも自然と読みやすい文章になっていく、というわけ。
なるほど。そう言われるとオレにもできそうな気がしてきた。
そうなるでしょ? 僕もこの本読み終わって、自分でもできるかな〜って思って、記事1つ書いちゃったわ。
うわ、我の強そうな記事。お前ホントにこの本参考にしたの?
うるさいなぁ。さて、あとは読者の皆さんがほめてくだされば、晴れて山本五十六先生の名言が完成です! みんなのスターボタン待ってるからね!
おこがましいわ!!
本書を手に取り、「はじめに」まで読んだ方はこちら!