「表現」より「要件」!! - 『超スピード文章術』 part 2 「序章 なぜ文章を書くのに時間がかかってしまうのか?」
それでは早速「超スピード文章術」、続きを読んでいきましょう!
part 1 はこちら
なぜ、LINEは誰でも早く打てるのか?
初っ端から変化球ですね。なぜ書けないのかではなく、なぜ書けるのか。
確かに、普段文章を苦手苦手と言っている私も、よく考えたらLINEは大体は普通に打ててます。なんででしょう?
短いから?
話し言葉の感覚で打っているから?
・・・みなさん考えましたでしょうか。
この本では、
「表現」より「用件」が重視されるから
と記されています。言われてみれば、気の知れた仲の友達相手にはスッと送れますが、知り合ったばかりの異性相手になると、表現が気になって、つい言い回しを何十通りも考えちゃいますもんねー(笑)
ということは、表現で悩む余地をなくすべく、色んな対策をしていこう、ということでしょうか?
LINEが一気に全世代に受け入れられた理由
著者の上坂徹さんがLINEに取材をした体験が記されていますね。東日本大震災が、今のLINEを形作るキッカケになったというのは知りませんでした。
シンプルに結論だけを伝えられるもの
伝わったかどうかがわかるもの
誰もが使いこなせるような簡単なサービスにするために、この2点を目指したということですが、いうは易し、行うは難し。
今年も各地で多くの災害がありました。私の住む地域も被災しましたが、実際にLINEが情報共有に役立っている現実がありました。
感慨深いです。
「用件だけ」で言いたいことは伝わる
LINEがここまで大きくなったのは、LINEというサービスが多くの人に受け入れられたからというのが一番でしょうが、もうひとつの要因として、LINE株式会社の中での情報伝達に、LINEがフルで使われたことが挙げられていますね。
面白いです。まさに一石二鳥。
そして、「シンプルに結論だけを伝える」機能が、ビジネスに十分有用なことを裏付けています。
「うまく書こう」と意識するだけで手が止まる
さて、ここで初めて、著者が100倍のスピード向上を達成したきっかけが明かされます。雑誌や好きな小説家のような文章を書かなければならない、という思い込みからの脱却、というのがそれのようです。
今、このブログを読んでいるみなさんの中には、私と同じように、「こんな文章が書きたいな」という作家さんの文を、延々と書き写した経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
私も幾度となく森博嗣さんの小説をトレースしました(笑) が、 少なくとも、文章を書くのが速くなった、ということはありませんでした。
「意味不明な表現」の代表例
「うまい文章」をお手本にすることで、相手に伝わりにくくなるかもよ、というリスクが指摘されています。ここでおもしろいのは、そのうまい文章を再現する能力が足りないからということではなく、それが本当にうまい文章だったとしても、掲載される媒体によって、分かりにくくなってしまう、ということです。
さらに、慣用句の多用にも警告が出ています。
なんとなくわかるようで、実はよくわからない
中身がなくても、なんとなく「うまい文章」に見える
おっしゃる通りですね。誤魔化しが効いてしまうので、ついそっちに逃げちゃうんですよね。それでは地力がつきません。
ここで「えっ?」と思ったのが、
途方に暮れる
重い腰を上げる
未知数である
肝に銘じる
心の闇
ひざを打つ
太鼓判を押す
と、誰もが知っているのでは? と思うような慣用句が列挙してあることです。このように市民権を得ている言葉でも、それが慣用句であるなら、「もっと簡素な言い方はないかな」と一考してみるのも良いのではないでしょうか。
「起承転結」も「正しい文法」も気にしなくていい
文章はこう書くべき、というルールは悪影響である、という主張がここでも述べられていますね。
それでも、みっともない文章を書きたくない、という人向けに、簡単な対処法があるそうです。それは5章でのお楽しみ〜。
文章は絶対に「ゼロ」から書き始めてはいけない
「はじめに」で述べられていた、素材の重要性についてですね。
新聞記者が一瞬で記事を書ける理由
私たちは文章を書く、というと、ついアウトプットの方だけに意識が向いてしまいますが、実は文章の素材を集める「取材」が最も重要で、それによって、原稿のクオリティは決まってしまう、といいます。
ずいぶん言い切っていますね。でも確かにな〜って感じですね。
素材がないと書けない?
ここは主張がよく分かりませんでした(笑) エピソードとしては面白かったのですが。分かる方は是非コメントまで!
「何を書けばいいかわからない」という悩みが一瞬で消える
これが本当ならありがたいですね! 文章を書くのって、書き出しが中々決まらない、だから、原稿用紙やパソコンの前で、延々と悩む、あの時間。あれが猛烈に苦痛なんですよね〜。
しかし、ここでひとつの解答が提示されています。
文章を書くことが決まったら、まずやるのは素材を探すことです。
さきほどの「取材」ですね。で、取材とはどういうものかですが、それを説明する上坂さんの授業参観のエピソードが強烈に分かりやすいですね。
文章を書くことが決まった瞬間から、常にアンテナを立てている。
自分が何に印象を持ったのかって、自分の感性に注意を向けてないと、その直後にでも記憶からなくなってしまう。もっというと、自分が感動したことに、ハナから気づけない、というのは、最近自分でも実感するところです。
このブログの執筆に置き換えると、本を読み進める過程で、印象に残る場所と、どう感じたのかを逐次メモしていく、という風にするといいのかもしれませんね。
私が一番重視しているのは、書く前の準備、つまり「取材」です。
取材とは「素材を集めること」であり、「聞く仕事」です。取材でどんな素材を集められるかによって、原稿のクオリティは決まります。
もし自分が詰まっていたら、「素材は揃っているか」を意識していく。それをするだけで今より大分文章が書けそうな気がしますね!
次回はやっと「第1章」に突入!
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「第1章」まで読んだらこちら