読書実況BROS.

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「正義なんてものは、ただのことばだ」 - 『クリスマスのフロスト』 part 7 「火曜日5〜7」

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読書実況広間の歩きかたという記事で、「ゲーム実況みたいに」ということを書いたのですが、わたしの好きなゲーム実況者さんはハヤシさんという方です。

www.nicovideo.jp

ゲームのチョイス(マイクラとかぼくなつ2とか)はもとより、雑談がまあおもしろいんですよね。機知に富んでいるといいますか。

このブログの執筆中は基本垂れ流しています。どうすればあの話術を身につけられるんだろうか。

・・・では続きを(本題へのキレイな移り方がわかりません)。

part 1 はこちら

part 6 はこちら

火曜日 5

ついに誘拐犯から連絡が!! 指定場所付近に警官を配置します!

・・・いつまでたっても、家を飛び出たはずのアップヒル夫人が現れません。様子がおかしい。・・・と、近くの通りで女性が倒れているとの通報が。まさか!!と思い、フロストとクライヴは現場へ向かいます。嫌な予感。

やはり夫人でした。幸い命に別状はありませんが、頭部は強打され、財布、身代金の入ったバッグもなくなっています。

通報した男の車を多少強引に調べると、トランクから盗品らしき小型計算機がみつかりました。この男、そのまま逃げていれば盗みが成功していたのに、倒れていた女性を放って置けなかったんですねー。

「われわれみたいな人間は、正しいことをやって、その見返りに面倒を背負い込んでしまうんです。」

世知辛い(泣)


警察署で次の一手を考えていると、酔っ払いの男がロビーで騒いでいるのを目にします。聞けば、キースが金を取ったとのこと。もちろんキースはもうそんなことはしません。ちょっと調べてみると、やはり男の早とちりでした。

マレットが騒ぎをききつけてやってきます。やばい、と思ったその時、男がマレットの靴に吐きます(笑)

フロストは、暖かな親近感が胸の底から湧きあがってくるのを感じた。急にその酔っ払いが愛しく思えた。こんなことなら、もっと親切にしてやるのだったと思った。人間誰しも何かしら、取り柄があるものである。

マレット嫌われすぎ(笑)

満足してオフィスに戻ったのもつかの間、マレットに呼び出され、アップヒル夫人が暴行を受けた責任を咎められます。八つ当たりって感じで嫌ですね〜。

フロストの堪忍袋が爆発するかと思ったその時、当の夫人の意識が回復したとの連絡が!!

結局あの時、夫人に何があったのでしょうか!?

火曜日 6

急行して夫人の話を聞きます!!

・・・が、大した手がかりは得られませんでした。顔も見ていないということです。残念。

今後の方針を練るためでしょうか。クライヴを引き連れて近くのパブへ。

病院を訪れたことで、奥さんの闘病生活を支えていた時代のフロストのトラウマが蘇ってきます。痛々しいですねー、よっぽど愛していたんでしょう。

と、店の客が一人いなくなっていることに気がつきます。その時! フロストが行動を起こします!!

すぐさま夫人宅から監視員を撤収させ、2人はその夫人宅へ向かいます!

そして、通りで一人の男をとらえます、なんとその男、夫人に暴行した犯人でした!

いやー見事なお手並み。状況から犯人を突き止め、行動を先読みして、作戦通りに捕らえたわけですね。大成果です!!

そうこうしていると、サンディから連絡が。死者の谷で発掘された人骨の身元がわかったそうです!

仕事人のフロストはご満悦。完全にフロストに追い風が吹いていますねー。一方クライヴは疲れ気味の様子。そりゃそうですよ! 何時間働かせるんだって話です!

でも立場上弱音ははけないんですよねー。かわいそうに。


サンディに話を聞きに来ました。

どうやら発掘された人物は、昔銀行強盗事件で金とともに行方不明になっていた、フォーカスという男のようです。どうやって突き止めたんでしょうか。

事件日、同じ車に乗っていたガーウッドという男は現在、銀行のデントン支店次長になっているとか。

しかし男と連絡はとれず、支店長からもコメントを拒否されます。これは聞きに行くしかありませんね。

後半にも関わらずぞくぞくと新キャラが(笑) どこまで話を広げる気なんでしょうか。覚えられねー!

火曜日 7

警察署のロビーでうなだれている、ひとりの若者がいます。きけば、車で老婦人をはねてしまっとか。ここで興味深いことに、フロストは少年に同情します。

「おれだって、これまで車を運転しながら、何度も人を轢きそうになった。轢かずにすんだのは、ただ単に運がよかったからさ。あの若者には、その運がなかった」

「運がなかったのは、轢かれた老婦人のほうでしょう?」

「坊やは情が薄いな、ほんと、薄いよ。おれだって、轢かれた婆さんは気の毒だったと思う。だが、あの若造も、同じぐらい気の毒だと思うね」

この本は1984年に書かれたそうなのですが、無関係の第三者が正義感を振りかざして人を叩きまくる現代のインターネット社会へのアンチテーゼになっているような気がして、感慨深いものがありました。

若者の父親が警察署に駆け込んできます。

息子の将来を思って、無理矢理にでも息子を連れ帰ろうとする父親。

自分がやったことの大きさを十分認識して、責任を果たそうとする若者。

老婦人の訃報が入ってきました。泣き叫ぶ若者。

「彼は自分のしでかしたことを正直に告白した。人ひとり殺してしまったことに対して、誠実に心を痛めてる。それでも、あの若者は処罰を食らうことになるんだ。おそらくは、かなり厳しい処罰をな」

処罰はなんのためにあるのか。再発の見込みがないことが明白でも罰する必要があるのか。非常に多くのことを考えさせられる場面でした。


さて、人骨が本当にフォーカスなのかをきっちり裏付けるために、過去のファイルを漁ります。歯型から判別できそうだというのがわかりました。

今日はやけに話がいい方にトントン進むと思ったら、フロストの誕生日でした(12/17)。誕生日なら物語的にも仕方ないですね(笑)

その後、ようやくクライヴが本日の勤労から解放されました。アパートにはヘイゼルが。もうくっついたんですね! もうちょっと甘酸っぱ〜い紆余曲折をみたかった気もしますが(笑) やるなぁクライヴ。

それを尻目にフロストは孤独のどん底へ。

自分の誕生日に、車に乗ったまま激突死なんてのも悪くない。

とか言いだします・・・。大丈夫かフロスト!!!!(笑)

で、車で向かった先は、知り合いらしき女性宅。ん? こちらの方はどういった間柄でしょうか。コートを脱いで、お酒をごちそうになって、

「で、先週の水曜日はどうしたの?」

恋人じゃんか―ー!! 恋人いるんじゃんかー―――!!!!(笑)

さっきの落ち込み具合はなんだったんだよ!! 心配して損したわ!!

・・・まあいいでしょう。シャーリーっていうんですね。

で、2人がベッドに入ろうかというその時、無線が入ります。殺生な。

宝石店が強盗にあったとか。あ、キースが垂れ込んだやつですね!

無線中イタズラしてくるシャーリー(笑) 今後もっと登場してほしいですね。


時刻は午前3:25。フロストは現場へ。タフすぎるだろうこの男。

ハンロンに詳細をきき、事件の黒幕であろうサミーの店へ向かいます。そこで、逃げようとした男をとらえます。シド・セクストン。また新キャラ!? まあ重要どころではなさそうなのでよし。

手柄が次から次へとやってきます。

サミーも仕方なく姿を現します。問答の末、関与を認めさせます。その上、取引してキースの借金を帳消しにさせます。

いやー、ようやく抱えていた大きい事件の一つが解決しました!!

完全にフロストに追い風が吹いていますねー!!

フロストのつきは、まだ持ちこたえていた。そう、その日の朝までは。

ん? そんな殺生な(笑)

「正義なんてものは、ただのことばだ」

老婦人を轢いた若者の話は、自分や、自分の周りの人にも普通に起き得ることなんですよね。加害者をかばうのはおかしいのかとか、親の愛情の形とか、処罰の目的とか、色々考えてしまいました。

たまにこういうシリアスな話があってもいいですよね。

次回は、不運の連続に見舞われると公式で予告されております(泣) 

あしからず。

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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