読書実況BROS.

超個性派書評ブログ <読書 × 実況 = 書評 + アフターケア>

読書実況BROS.

『生き抜くための高校数学』 part 5 「2.1 2次方程式と2次不等式(後半)」

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この世で一番役に立たない物理雑学をひとつ。

慣性のイントネーションは完成や歓声と同じ。


初見殺しの虚数の落とし穴が説明されていますね。

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これは私もやってしまって、何度も何度も途中式を見直した覚えがあります。

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虚数は速やかに i に直せば、余計なこと考えなくても対処できそうですね!

例6(解が虚数解の2次方程式)

童心に帰って淡々と解いていきます。

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続いて定理の証明。本書の証明は、発見が多くておもしろいです。

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この定理、意外と出番が多いんですよねー。この定理を使う練習問題も何問か乗せてくれたらなーと思いました。


今度は図の平行移動の解説がものすごーく丁寧に説明されています。

それを実際に作図していくのが次の例題。

例7(2次関数のグラフ)

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式とグラフの関係を体感的に学べるので、良問だと思いました。

例8(2次不等式)

2次不等式はグラフで考えると間違えにくいよーというだけなのでカーット!

例9

相加平均と相乗平均の関係についての証明問題を解くことで、今節の復讐をしてくぜーというすばらしい試み。

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描き方ばかりを優先して、意外と基本を忘れている人が多いのは残念なことです。

何事においても、長期的な視点をもって、基本をしっかり学んで応用力を育てていきたいものです。

数学とかね!!

生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本

生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本

「2.2 連立方程式と高次方程式」までよんだらこちら

「正義なんてものは、ただのことばだ」 - 『クリスマスのフロスト』 part 7 「火曜日5〜7」

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読書実況広間の歩きかたという記事で、「ゲーム実況みたいに」ということを書いたのですが、わたしの好きなゲーム実況者さんはハヤシさんという方です。

www.nicovideo.jp

ゲームのチョイス(マイクラとかぼくなつ2とか)はもとより、雑談がまあおもしろいんですよね。機知に富んでいるといいますか。

このブログの執筆中は基本垂れ流しています。どうすればあの話術を身につけられるんだろうか。

・・・では続きを(本題へのキレイな移り方がわかりません)。

part 1 はこちら

part 6 はこちら

火曜日 5

ついに誘拐犯から連絡が!! 指定場所付近に警官を配置します!

・・・いつまでたっても、家を飛び出たはずのアップヒル夫人が現れません。様子がおかしい。・・・と、近くの通りで女性が倒れているとの通報が。まさか!!と思い、フロストとクライヴは現場へ向かいます。嫌な予感。

やはり夫人でした。幸い命に別状はありませんが、頭部は強打され、財布、身代金の入ったバッグもなくなっています。

通報した男の車を多少強引に調べると、トランクから盗品らしき小型計算機がみつかりました。この男、そのまま逃げていれば盗みが成功していたのに、倒れていた女性を放って置けなかったんですねー。

「われわれみたいな人間は、正しいことをやって、その見返りに面倒を背負い込んでしまうんです。」

世知辛い(泣)


警察署で次の一手を考えていると、酔っ払いの男がロビーで騒いでいるのを目にします。聞けば、キースが金を取ったとのこと。もちろんキースはもうそんなことはしません。ちょっと調べてみると、やはり男の早とちりでした。

マレットが騒ぎをききつけてやってきます。やばい、と思ったその時、男がマレットの靴に吐きます(笑)

フロストは、暖かな親近感が胸の底から湧きあがってくるのを感じた。急にその酔っ払いが愛しく思えた。こんなことなら、もっと親切にしてやるのだったと思った。人間誰しも何かしら、取り柄があるものである。

マレット嫌われすぎ(笑)

満足してオフィスに戻ったのもつかの間、マレットに呼び出され、アップヒル夫人が暴行を受けた責任を咎められます。八つ当たりって感じで嫌ですね〜。

フロストの堪忍袋が爆発するかと思ったその時、当の夫人の意識が回復したとの連絡が!!

結局あの時、夫人に何があったのでしょうか!?

火曜日 6

急行して夫人の話を聞きます!!

・・・が、大した手がかりは得られませんでした。顔も見ていないということです。残念。

今後の方針を練るためでしょうか。クライヴを引き連れて近くのパブへ。

病院を訪れたことで、奥さんの闘病生活を支えていた時代のフロストのトラウマが蘇ってきます。痛々しいですねー、よっぽど愛していたんでしょう。

と、店の客が一人いなくなっていることに気がつきます。その時! フロストが行動を起こします!!

すぐさま夫人宅から監視員を撤収させ、2人はその夫人宅へ向かいます!

そして、通りで一人の男をとらえます、なんとその男、夫人に暴行した犯人でした!

いやー見事なお手並み。状況から犯人を突き止め、行動を先読みして、作戦通りに捕らえたわけですね。大成果です!!

そうこうしていると、サンディから連絡が。死者の谷で発掘された人骨の身元がわかったそうです!

仕事人のフロストはご満悦。完全にフロストに追い風が吹いていますねー。一方クライヴは疲れ気味の様子。そりゃそうですよ! 何時間働かせるんだって話です!

でも立場上弱音ははけないんですよねー。かわいそうに。


サンディに話を聞きに来ました。

どうやら発掘された人物は、昔銀行強盗事件で金とともに行方不明になっていた、フォーカスという男のようです。どうやって突き止めたんでしょうか。

事件日、同じ車に乗っていたガーウッドという男は現在、銀行のデントン支店次長になっているとか。

しかし男と連絡はとれず、支店長からもコメントを拒否されます。これは聞きに行くしかありませんね。

後半にも関わらずぞくぞくと新キャラが(笑) どこまで話を広げる気なんでしょうか。覚えられねー!

火曜日 7

警察署のロビーでうなだれている、ひとりの若者がいます。きけば、車で老婦人をはねてしまっとか。ここで興味深いことに、フロストは少年に同情します。

「おれだって、これまで車を運転しながら、何度も人を轢きそうになった。轢かずにすんだのは、ただ単に運がよかったからさ。あの若者には、その運がなかった」

「運がなかったのは、轢かれた老婦人のほうでしょう?」

「坊やは情が薄いな、ほんと、薄いよ。おれだって、轢かれた婆さんは気の毒だったと思う。だが、あの若造も、同じぐらい気の毒だと思うね」

この本は1984年に書かれたそうなのですが、無関係の第三者が正義感を振りかざして人を叩きまくる現代のインターネット社会へのアンチテーゼになっているような気がして、感慨深いものがありました。

若者の父親が警察署に駆け込んできます。

息子の将来を思って、無理矢理にでも息子を連れ帰ろうとする父親。

自分がやったことの大きさを十分認識して、責任を果たそうとする若者。

老婦人の訃報が入ってきました。泣き叫ぶ若者。

「彼は自分のしでかしたことを正直に告白した。人ひとり殺してしまったことに対して、誠実に心を痛めてる。それでも、あの若者は処罰を食らうことになるんだ。おそらくは、かなり厳しい処罰をな」

処罰はなんのためにあるのか。再発の見込みがないことが明白でも罰する必要があるのか。非常に多くのことを考えさせられる場面でした。


さて、人骨が本当にフォーカスなのかをきっちり裏付けるために、過去のファイルを漁ります。歯型から判別できそうだというのがわかりました。

今日はやけに話がいい方にトントン進むと思ったら、フロストの誕生日でした(12/17)。誕生日なら物語的にも仕方ないですね(笑)

その後、ようやくクライヴが本日の勤労から解放されました。アパートにはヘイゼルが。もうくっついたんですね! もうちょっと甘酸っぱ〜い紆余曲折をみたかった気もしますが(笑) やるなぁクライヴ。

それを尻目にフロストは孤独のどん底へ。

自分の誕生日に、車に乗ったまま激突死なんてのも悪くない。

とか言いだします・・・。大丈夫かフロスト!!!!(笑)

で、車で向かった先は、知り合いらしき女性宅。ん? こちらの方はどういった間柄でしょうか。コートを脱いで、お酒をごちそうになって、

「で、先週の水曜日はどうしたの?」

恋人じゃんか―ー!! 恋人いるんじゃんかー―――!!!!(笑)

さっきの落ち込み具合はなんだったんだよ!! 心配して損したわ!!

・・・まあいいでしょう。シャーリーっていうんですね。

で、2人がベッドに入ろうかというその時、無線が入ります。殺生な。

宝石店が強盗にあったとか。あ、キースが垂れ込んだやつですね!

無線中イタズラしてくるシャーリー(笑) 今後もっと登場してほしいですね。


時刻は午前3:25。フロストは現場へ。タフすぎるだろうこの男。

ハンロンに詳細をきき、事件の黒幕であろうサミーの店へ向かいます。そこで、逃げようとした男をとらえます。シド・セクストン。また新キャラ!? まあ重要どころではなさそうなのでよし。

手柄が次から次へとやってきます。

サミーも仕方なく姿を現します。問答の末、関与を認めさせます。その上、取引してキースの借金を帳消しにさせます。

いやー、ようやく抱えていた大きい事件の一つが解決しました!!

完全にフロストに追い風が吹いていますねー!!

フロストのつきは、まだ持ちこたえていた。そう、その日の朝までは。

ん? そんな殺生な(笑)

「正義なんてものは、ただのことばだ」

老婦人を轢いた若者の話は、自分や、自分の周りの人にも普通に起き得ることなんですよね。加害者をかばうのはおかしいのかとか、親の愛情の形とか、処罰の目的とか、色々考えてしまいました。

たまにこういうシリアスな話があってもいいですよね。

次回は、不運の連続に見舞われると公式で予告されております(泣) 

あしからず。

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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「水曜日 2」まで読んだらこちら

生き抜くための高校数学 part 4 「2次方程式と2次不等式」前半

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今までなんとなくツイッターに触れてこなかったのですが、このブログを始めるにあたりはじめてみまして、今更ながらその便利さに驚かされました。

試しに有名どころの出版社をフォローしてみると、出版社がリツイートした一般の読者の感想が流れてきて、それがまあおもしろい! ずっと読んでいられます。よくできてますねー。

part 1 はこちら

part 3 はこちら

2次方程式と2次不等式

わたしはどっちかというと物理が好きなので、この辺は楽しめそうな予感。

例1(2次式になる問題例)

現実世界で2次式が出てくる場面が2つ紹介されていますね。

(1)ですが、いきなり

h = vt - 4.9t2

の式が示されているので、なんでこの形になるかをちょっと解説。

v0 : 初速、v1 : t秒後の速さ、と定義します。

これを図にするとこんな感じ。

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求める値は物体の高さ(距離)なので、速さと時間の積で求めることができます。図で言うと斜線の部分の面積ですね。

台形なので、(上底)×(下底)×(高さ)×(1/2)で、それを計算していくと、先ほどの式の形になりました!


続いて(2)。10mのロープで花壇を作るという意味不明な縛りプレイ。でも問題としては面白いのでノープロブレムです。

ABの長さを x とすると、BCの長さは 10-2x となります。花壇の面積を10mにしたいということなので、それを式に表して、x を求めていけば解けそうです。

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花壇は横を長くしたいということなので、 小さい方の-√5 を採用します。

例2(因数分解によって解く2次方程式)

ごりごり解いていきましょう。

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(4)は、係数が 4.9 で割り切れるようになっていて、綺麗な問題。

例3(解の公式によって解く2次方程式)

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ガウスのことにちょっと触れています。数学者の天才エピソードはハズレがありませんねー。そういう本もこのブログでも今後読んでいけたらなーと思います。

例4(複素数の計算)

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いずれも直球問題でした。

例5

複素数の世界でも実数の世界と同様に、「0でない数と0でない数の積は0でない」という証明が成り立つことを示しましょう。

おー! 数学好きな方は興奮していますね?(笑) 

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こういうのを自分の知識で解ける、という経験を繰り返すことで、数学沼から抜け出せなくなっていくんですよねー。

新しい学説が定着するためには紆余曲折があるものです。その中には、新しい学説を唱えただけで迫害された人びとも多数いました。

迫害を受けるリスクを冒してでも、真実を追求した偉人がいたということは、数学にはそれだけ人を熱くさせるポテンシャルがあるということではないでしょうか。

受験数学から解放された今、自分の好きなように数学を愉しんでいきたいと改めて思いました。

生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本

生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本

「2.1」まで読んだらこちら

迷いを断ち切れ!! - 超スピード文章術 part 7 「第5章 一気に書き上げる」

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当ブログに弟が参入したため、共同執筆の設定がしたいということで、思い切って、はてなアカウントをプロにしました。

それに伴い、泣く泣く諦めていた細かいデザインや、無関係と決め込んでいたドメインのあれこれ等、できることの幅が少し広がり、考えを練るのが楽しい今日この頃です。

part 6 はこちら

素材が揃ったら速攻で書く

締め切りまで余裕があっても、素材が揃ったのであればさっさと書いた方がいい理由ですね。

「〆切効果」が最強のスピードアップ法

「〆切に追われていない→ストレスがなくなる→速く書ける」ということでしょうか。

〆切に遅れなくなる、というのはメリットとしてよくわかるのですが、速く書ける、というのは本当にそうなるのか疑問が残りました。追い詰められた方が火事場の馬鹿力を発揮して速く書けそうな気がしてしまうのですが。

トップスピードで最後まで書ききるコツ

「完璧主義」がスピードを落とす

最初から完璧な文章を書こうとすると、「この表現はもっと適切なものがありそう」「この素材はやっぱりこっちに置いた方がよさそうだ」などと、書きながら何度も止まることになります。

この「迷い」が、書くスピードをガクンと落とすのです。

とは言え迷ってしまいますねー。これは本当に意識せねば。

表題にもあるコツですが、

「●」や「★」などのマークを原稿の中に入れて、あとから調べることにして飛ばす。

これは参考になりました! 理に適っていますねー。立ち止まらず一気に書き上げることでリズム感のある文章になり、印を付けたことで推敲の時間が短縮できるわけですね。

多く書いて、あとで削る」がいちばん速い

今まで脇に置いてきたクオリティを、量を書いて削ることで取り戻す、という感じでしょうか。これは文章の内容の濃さにも繋がってきそうですね。

読みやすい文章を書く7つのポイント

著者の経験からということで、興味を惹かれます。

❶文章を短くする

これは意識すればすぐにでもできそうです。簡単で効果もありそうで、心に留めて置きたいです。

❷スラスラ読める「リズム」を作る

ゴロを少し意識してみる、というのは大事かもしれませんね。わたしの弟がそういう文が好きみたいで、今度コツとか聞いてみようかな。

「ですます調」の文章の中に「である調」の文章を適度に織り交ぜることでリズムを作る

これは一歩間違えるとヘンテコな文章になりそうで、上級者向き? と思いました。

❸「 」の強調使用

ブログだと太字も併用できますね。

❹順接の接続詞を使わない

確かに、思い返せば順接を多用する文章は、少しくどい印象を持つことが多い気がします。

❺逆説の接続詞で展開を生む

これも比較的すぐできそうなので、取り入れたいです。

❻難しい日本語を「翻訳」する

このブログも簡単な表現を心がけていきたいところです。

「パレオな男」というわたしの大好きなブログがあるのですが、そこにこのような記事がありました。

yuchrszk.blogspot.com

分かりやすさの効用は侮れないですね。

❼リアリティを意識する

共感は大事!

「良質な週刊誌」が最高の教科書になる

この章は、ともすれば「これを読め」と押し付けがましくなってしまうところだと思うのですが、視点がフラットで好感が持てました。

自分が「こうなりたい」と思える文章を探して、その文章の何に好かれるのかというのを分析するのが近道だ、という風に解釈しました。

なぜ、編集者はプロの文章を直せるのか?

文章を読む量がものをいうわけですねー。自分の趣味にあった文章の源をより多くストックするためにも、文章の多読はよさそうです。

最初は、誤字も表現も気にせず、一気に書き切る。

ボリュームは少なめでしたが、非常に密度のある章でした。

今回は、極力見直しをせずスピード重視で書いてみたのですが、やはり途中で何度も「迷い」が生じ、立ち止まってしまいました。頻繁な見直しが習慣になっているのか、なかなか難しいです。

意識を続けることが改善に繋がることを信じて、引き続きブログを頑張っていきます!

10倍速く書ける 超スピード文章術

10倍速く書ける 超スピード文章術

「第6章」まで読んだらこちら

泣きたい時に - 『クリスマスのフロスト』 part 6 「火曜日 3 〜 4 」

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弟にブログを手伝ってもらうこととなりました。

クセ強めの文章ですが、たまに読む分にはぎりぎり胸焼けせず楽しんでいただけるのではと思います(笑)

よろしければご一読ください!!

mokuji.hatenablog.com

part 1 はこちら

part 5 はこちら

火曜日 3

フロストとクライヴが、ウェンデルの家に向かうところからですね。相当険しい道のようです。会話の中に「死者の谷」という場所が出てきました。いかにもな名前ですねー。今後どう話と絡んで来るのでしょうか。

ウェンデルの家に着きました。風貌は魔女の鑑といったところでしょうか。自宅に何匹もの猫を匿っている様子。そういうおばちゃんって、日本だけじゃないんですね。ウェンデルはどんな情報を、どのように提供してくれるのか。・・・さっきからフロストと猫との陣取り合戦が繰り広げられていますね(笑)

さあ、いよいよ霊媒が始まりました。なんか思ったよりも大分それっぽいですね ! フロストと、特にクライヴは衝撃を受けたようです。・・・いや、やっぱりフロストは霊媒自体は信じていない様子。まあそりゃそうですよね。

退散するとき、クライヴが、ウェンデルの表情の変化を捉えました! 

クライヴは、フロストのあとを追って玄関に向かいながら彼女の横を擦り抜け他とき、激しい憎悪に歪んだ醜い表情の奥に、もうひとつの表情を見て取った。マーサ・ウェンデルは怯えていた。ひどく怯えていた。

憎悪はフロストの一言が原因だとして、怯えていたのは、何に対してでしょうか。怪しくなってきましたねぇ。

外に出ると、早速、先ほどの予言の場所、死者の谷に向かいます。この時点で、フロストはもうウェンデルは誰か殺したと確信しているようです。トレーシーはここにはいない、とも。でも、勘、というのはすっきりしませんねー。僕も証拠の奴隷なので(笑)。

クライヴが茂みに何かを発見します。キャンディの包み紙。フロストは相手にしていませんが、これも今後の伏線っぽいですよねー。フロストに不都合が起きなければいいですが。

車に戻ると、アップヒル夫人に誘拐犯からの連絡があったとの無線が。犯人は今までに登場した人物でしょうか? おもしろくなってきました!

火曜日 4

署に戻って、通話の記録を確認します。

しかし、肝心な情報は結局残されておらず、途中でブツッと切れています。どうやら犯人の近くをパトカーが偶然通って、犯人を驚かせたようで。残念。・・・ん? 逆探知には成功したようです! これはせめてもの救いですね。

「よし、それじゃ、問題の男が戻って来るまで、そこで待機するように伝えろ」とフロストは言った。

司令室が無線を切るタイミングがわずかに遅れた。「ふん、簡単そうに言いやがって」というスピーカーからの声を最後に、交信は終了した。

貪欲に笑いを取ってきますねー(笑)

マレットが、死者の谷の発掘を指示します。なんだかんだで占いに食いつくのが、クライヴとそっくりですね。警察長を立てたいというのもあるでしょうが。

パシられて文句を垂れたクライヴを、マーティンが怒ります。かっこいいー。もっと目立ってもいいですよね、この人。


クライヴに、ファーナムの伯母へ裏を取りに行かせます。フロストは死者の谷へ。

「オーストラリアまで掘ったところで、なんにも出てこないだろうがね」フロストはのちに、その発言を思い出すことになる。彼の勘ははずれていた。大はずれもいいところだった。

なんですかー!? この神の声(笑) 著者はドラマの脚本をやっていたそうなので、本来こういう演出が得意なのかもしれませんね。勘、外れるんだってよ。

クライヴにあの婦人警官も連れて行くようにいいます。ヘイゼルっていうんですね。クライヴ嬉しそう(笑)今度は何か進展があるでしょうか。

クライヴが出て言った後、しばらくして、キースという巡査が入ってきました。どうやらフロストはそれを予見していたようです。場が改まりましたね。

「もし、あの金があったら、あの爺さんも一夜の宿を見つけられたかもしれない。そうすれば、まだ生きてられたかもしれない」

「おれたちは、あの爺さんが苦情を申し立てに来たときに、侮辱した。爺さんを困らせるようなことを言って、署から追い払った。そのことについては、おれだけじゃなく、おまえさんにも後味の悪さを感じて欲しいと思う。心ない仕打ちだったと後悔してほしいと思う」

「おれのところに相談に来ればよかったのに。こう見えても、おれはサミー・ジェイコブズなんかより、ずっと太っ腹だぜ。だが、まだ、話し足りないことがあるんじゃないかね?」

自分の金も盗られた上に、言い逃れようとした相手に対して、あくまで相手の立場から、やさしく淡々と諭していきます。こういう大人になりたいですね。キースはどれだけ救われたでしょうか。

で、そのやり取りから、相手の裏手に回れる重大情報を入手。ベリントン銀行の扉の謎が解けるかもしれませんね!


ウェンデルの予言を検証すべく、死者の谷にやってきました。過酷な環境で、不本意な作業を強いられているということで、チームはテンションだだ下がりです。そりゃそうですよね。

そんな中、何と人の手の骨を発見。当然の帰結として、ウェンデルが何らかの事件に関わっていると思われます。

それとは別に、ファーナムの伯母はこのところ甥と会ってないという証言が取れました。あとでファーナムを問い詰めに行く必要がありますね。

で、掘り出した腕ですが、掘り進めると鎖で繋がれていることが判明。進展がないばかりか、また難解な事件が増えるかも、ということで、フロストは、自然死ということにしておいてくれと医者に掛け合いますが、

「悪いことは言わない、検死官を呼びなさい。第一、雪が降ってるじゃないか。そういうときは、より多く給料を貰っているほうを呼ぶもんだ」

と突っぱねられます。医者もいいキャラしてますね(笑)

少し離れた場所から残りの骨もみつかり、いよいよことが大きくなってきました。

到着した鑑識チームが、鎖の先を掘り起こします。繋がれていたのは、金属製のアタッシュケース。戦時中の代物かもしれないとのこと。話が壮大になりすぎて、何が何やら(笑) フロストの手に負えるのでしょうか。


警察署に戻ってみると、統計用資料未提出の件で、気の毒にもマレットにどやされます。これだけ仕事を抱えていたら仕方ないですよねー

その後立て続けに、ジョニーから残業手当申請の書類について苦情を受けます。

これは辛い。自業自得と言ってしまえばそれまでですが、やはり親しい関係の相手からこういう事を言われるのはこたえますねぇ。

「おれは疫病神ってやつかもしれない。おれが手を出すと、なんでも必ずだめになる」

流石のフロストも、いつになく弱気になります。 その流れで、ジョージ十字勲章を授与されるきっかけになった事件について、話してくれました。

と、配達係の男とばったり鉢合わせます。きくと、今からでも残業手当の書類が(経理部の都合で)充分間に合うとか。おお、天の助け!!

フロストは、思わず汗ばんでいた。全身が温もりに包まれたような気がした。安堵というものが、こんなにも暖かなものだったとは……。

僕自身、同じ気持ちになりました。

その事をジョニーに知らせると、

いかにも嬉しそうに言った。「あんたもほんと、悪運の強い男だな」

よかったー、いやー本当によかった!!!!(笑)


謎の死体について新たに判明した情報を聞きに、科学研究所にやって来ました。少しずつ詳細が判明してきました。何10年も前の死体について、ひとつでも情報が得られるというのは、よく考えたらすごいですよねー。科学すごい。

これが今後、どうストーリーにからんでくるのでしょうか。

本日の名言

「キース、まあ聞け。おまえさんはおれのことを、役立たずの老いぼれだと思っている。たぶん、それは正しい」

今日は感動しました!! フロストの人物像が深められる、中でも見どころの章と言っていいのではないでしょうか!! 本当に様々な感情で心を揺さぶってくれる作品ですねー。

中盤を過ぎて、なお謎が増えていきますが、どう収束していくのか。楽しみですねー、それでは今後ともよしなに。

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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「火曜日 7」まで読んだらこちら

『アルタッドに捧ぐ』 part1 「第一章」

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内容(裏表紙より) 「本間は、作中で少年の死体が発見された今日この日まで、少年が死を選ぶなど、露ほども 考えてはいなかった。」 大学院を目指すという名目のもと、亡き祖父の家で一人暮らしをしながら小説を書いている 本間。ある日、その主人公であるモイパラシアが砂漠で死んだ――彼の意図しないところで。 原稿用紙の上に無造作に投げ出された少年の左腕。途方にくれながらも本間が、黒インクが 血のように滴る左腕を原稿用紙に包み庭に埋めようとした時、そこから現れたのは少年が飼 育していたトカゲの「アルタッド」だった……。

どうも、管理者のび作の実弟の味付け海苔と申します。のび作が最近ブログを始めて猫の手も借りたいとのことでしたので、僭越ながら記事を書かせていただく運びと相成りました。何卒、よろしくお願い申し上げます(ペコリ)。

のび作はミステリ小説や実用書の実況を書いていますが、ワタクシは主に純文学方面の実況を書かせていただこうと思っております。わたしが好きだから、というのが当然1番の理由なわけですが、純文学の作品のなかには予備知識がないと一見ワケが分からないものもあり、とりわけ「これ読んでるの、世界で私だけ?」となりやすいジャンルではないかと思うからです。

さて、今日から読み進めていく本は、第51回文藝賞受賞作、金子薫『アルタッドに捧ぐ』であります。金子薫さんといえば、以前、アメトーーク! の読書芸人で『鳥打ちも夜更けには』が紹介されておりましたので、ご存じの方もいらっしゃることでしょう。そんな若き俊英のデビュー作の実況にお付き合いいただければという所存でございます。

余談ですがこの単行本、2015年2月28日までは刊行記念特別定価で1000円(税別)で買えました。今は1300円(税別)で売られています。みなさん、1404円出して買いましょう。

まあ俺は1080円で買ったけどな!

原稿用紙の上には、列車によって切断されたと思われる少年の左腕が、無造作に投げ出されていた。切断面からは黒インクが血液の如く流れ続けており、もはや執筆など続けられる状態ではなかった。

いかに作り物のお話とはいえ、フィクションの中には、かならず幾ばくかの真実が含まれています。読者が小説を読んで感動するとき、その中に含まれる真実に心打たれるわけですね。

読者にとってそうなのですから、小説の作者にとってはなおさらでしょう。現実の領域を浸蝕してしまうほど、作者にとってはフィクションにおける真実の割合が大きいんだ、ということですね。

原稿用紙の上に投げ出された左腕が、それを物語っています。客観的に見れば奇異な場面でも、作者にとってはそうじゃないんですね。それにしてもすげえ冒頭だなあ。

昔、何かのインタビューで読んだ記憶があるのですが、ハリー・ポッターの作中でシリウス・ブラックが死んだとき、作者のJ・K・ローリングは悲しすぎて何日か寝込んじゃったそうです。以前のび作にこの話をしたら「アタマおかしい」って言ってました。これだから理系は。

アロポポルとはソナスィクセム砂漠原産のサボテンであり、「アロポポル」という名前はセツア語で「石柱」を意味する「アロフポフポル」という言葉を語源としていた。

あと特筆すべきは、固有名詞のネーミングセンスですよね。アロポポルといいモイパラシアといいロロクリットといい、この語感の心地よさよ。そして、文化人類学者の紀行文かのごとき描写。お前はレヴィ・ストロースか! この専門的(風)な描写によって世界観の説得力が支えられてますよね。

どうやら眠いようで、アルタッドは頻繁に瞼を閉じるのであるが、そのたびに何かを思い出したかのように目を見開き、あたりの様子をきょろきょろと窺うのであった。

そしてこの小説の最大の魅力は(まだ第一章しか読んでないけど)、おそらくこのアルタッドの可愛らしさなのではないでしょうか。これ読み終わった後、たぶんみんなトカゲが飼いたくなることでしょう。俺は飼わんけど。

本間は、モイパラシアの物語を書きながら聴いていた、ソニー・シャーロックと彼の妻、リンダ・シャーロックの演奏する『バイレロ』をかけた。

はい出ました、ソニー・シャーロック! 「ギター版アルバート・アイラ―」と呼ばれるフリー・ジャズのギタリストです。絶妙にマニアックですねえ。安易にビートルズとか出してくるような輩とは大違いです(べつに村上春樹や伊坂幸太郎をディスってるわけじゃないんだからね!)。

作中に出て来た『バイレロ』は彼の初リーダー作である『ブラック・ウーマン』というアルバムに収録されています。「歓喜」とか「恍惚」っていう感じの雰囲気にぴったりな曲です。静かなゴスペルのような。ぜひ実際に聴きながら読んでみてください。いや、どうしてもってわけじゃないけど。

そしてその晩、本間は夢を見るわけです。純文学ってなんかやたらと夢を持ち出しますよね。有名どころだと夏目漱石の『三四郎』がそうで、冒頭は三四郎が夢から覚めたところから始まります。「今から起こることは夢じゃなくて本当のことですよって言いたい」っていう意図があるとかないとか。本作の場合は夢の中である種本当のことが起こるわけですね。 夢だけど、夢じゃなかった!

本間はモイパラシアに「どうして死んだりしたの?」と問いかけます。考えてみれば、自殺した人に対しての「なぜ」って多分一番の愚問ですよね(ってデュルケームが言ってた)。  

そんなこんなで、本間はモイパラシアからアルタッドとアロポポルの世話を任せられたわけですが、それを当然のように引き受ける本間に痺れます。俺だったら引き受けるだろうかなあ・・・とか考えちゃいますね。書くの断念した小説の主人公の頼みなんて。その点、本間は偉いですね。ホンマに。

ちゃんと爬虫類ショップで餌やらケージやらその他こまごましたものを買いそろえて、いろいろ試行錯誤しながら健気にアルタッドの世話をする本間。偉いなあ、ホンマに。

眠りから目覚め、再び一つの人格として意識の表層へと浮かび上がっていくときに抱く、生誕をやり直しているかのような感覚――夜の領域で脱ぎ捨てた人格を再び拾い集め、習慣の衣服を着込むようにしながら上昇していく瞬間に抱く、あの再生の感覚を、アルタッドは知らなかった。

子供のころ、夜眠れなかったら死ぬものだとなぜか本気で信じてました。寝つきが悪かったので何度も死にかけましたが、今こうして生きています。フシギだなあ。

アルタッドに捧ぐ

アルタッドに捧ぐ

「第2章」まで読んだからこちら

『生き抜くための高校数学』 part 3 「1. 3 整式と分数式」

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乗っけから違う本の話なんですが(笑)、最近この本を読みまして。

3Dプリンターへの興味が爆上がり中です。

手頃なものを一台かってみて、3D CADで設計して、自分だけのこだわりの詰まったものを色々作る・・・。楽しいだろうなー。リアリティがある分、夢が膨らみます。

平成ももうすぐ終わりますが、この新時代に、3Dプリンタが各家庭に普及する時代はくるんでしょうか。

part 1 はこちら

part 2 はこちら

1.3 整式と分数式

言葉の定義からですね。この辺りはまあ飛ばしても大丈夫かなーと高を括っていたのですが、整式と多項式を区別して考えるのが、日本限定というのは知りませんでした。へー、日本はなぜ区別しようと思ったんでしょうか。 少し調べてみたのですが、残念ながら定義を区別した理由はみつかりませんでした。そして定義の区別に混乱している学生の質問は山ほどヒットしました(笑)

さらに、Wikipediaで整式を調べてみると、

多項式(polynomial)のこと。

と説明されている始末。

もうそれでいいじゃん、混乱を招くわ、海外で通用しないわの定義なら、廃止したほうがいいんじゃないか、と思うのですが・・・。そう簡単にはいかないしらがみ的な何かがあるんですかねー。よく分かりませんが。


さて、例1を解いていきましょう! ただ式を展開して、降べきの順に整理する問題。計算ミスを誘うやつですねぇ。

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はい! 何とか面目を保ちましたー(笑) 並べ換える必要はなかったですね。


続いて例2です。ちょっと前に流行った、インド式計算法を、なぜ成り立つのか証明する、という試みがなされています!

わたしはここが1章で一番面白かったです!

ひとつめは、

□と△が1以上9以下の整数で、それらの和が10のとき、2桁の整数○□と2桁の整数○△の掛け算は、

○□×○△=○×(○+1)×100+□×△

と計算できます。

言葉だとややこしく感じるかもしれませんが、図にして見るとこんな感じ。

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これならパッと暗算できそうです。魔法みたいですね。

でも何でだろう? と思ったでしょう!!!? わたしもです! そこを詳しく証明してくださってますよ皆さん!!

この証明に、項でくくったりする操作が活躍するということですね。

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いやー、工程こそ少し長く感じる方いらっしゃるかも知れませんが、中学程度の簡単な操作だけで証明できてしまうんですねー。これには驚きました!

もうひとつの計算法は、

□と△が1以上9以下の整数で、それらの和が10のとき、2桁の整数□○と2桁の整数△○の掛け算は、

□○×△○=(□×△+○)×100+○×○

と計算できます。

先ほどの計算の、一の位と十の位が逆バージョンですね。

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この証明も中学の知識でできてしまうとは。

これら2つの証明を学ぶ過程で、証明問題って、前提条件をどうすれば活用できるか、っていう風に考えていけば解けるのかもなー、というコツみたいなものも自分で気づきが得られそうです。

新しい知識の練習ができて、証明の練習ができて、雑学的おもしろ知識が身につく、という、一石三鳥の超良問でした!


さて、次は例3の因数分解。

ここは一見、噛み砕けるような箇所は見当たらないので、ただただわたしが問題をごりごり解いていきます(笑)

例3

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いやー、(4)がなぜだかめちゃくちゃ悩みました。30分くらい唸って、ようやく

「わかった――――――――――!!!!!!!!!」

となったのですが、なぜなかなか閃かなかったのかは不明。頭が錆びついてきてんのかな〜(笑)。まあでも、この解けたときの快感が醍醐味といえば醍醐味なんですよね!


次は例4、多項式の除法。普通の割り算の筆算のノリで解けるので、やってみると意外と簡単、と名高い場所ですね。

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はい、ということで何の変哲も無いシンプルな問題でした。

この章最後の例5は、多項式の分数は普通に有理化できるよー、というだけなので、省略。

終わりー!! 今回はボリュームがありましたね! 内容が濃かった!

インドの数学教育では初等・中等教育から大学入試に至るまで、証明問題による論述教育が徹底されています。
(中略)
「MIT(マサチューセッツ工科大学)と並ぶほどIT分野で有名になったIIT(インド工科大学)の2000年の入試数学問題は、全問が証明問題であった」

インド、数学、とくると、今回の特殊な掛け算の暗算や、九九を10桁以上覚えることなどが取り上げられがちですが、本当にすごいのはそういうところではなく、数学の本質的な部分をしっかり学んでいるからだろうなーと思わされました!

次回からはようやく第2章「方程式・不等式と論理」に入っていきます! 目を通しておいていただければー!

生き抜くための高校数学: 高校数学の全範囲の基礎が完璧にわかる本

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「2.1」 の「例5」まで読んだらこちら

笑いたい時に - 『クリスマスのフロスト』 part 5 「火曜日 1 〜 2 」

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街からお正月ムードがなくなってきて寂しいですね。正月ボケから、よくもまあ、みんなスッと抜けられるなーと尊敬しちゃいます。

わたしはもうしばらく、残ったお餅を大切に食べながら、「年賀はがきの抽選日まではまだ正月」と言い張っていきます。

part 1 はこちら

part 4 はこちら

火曜日 1

トレーシーの捜索のために、2人はオールド・ウッドの森にやって来ました。天気は大雪。朝からつらいですねー。

「おれが出張ると、空は決まって機嫌を損ねる」

(中略)

「これがアレン警部なら、太陽が輝き、ツグミが囀り、バンビが蝶々を追いかけているところだ」

軽口を叩いて士気を高めるフロスト(笑)

で、厳しい環境で捜索が続きますが、ここでフロストの、意外と鋭い観察眼が発揮されましたね(それともただの勘?)。小屋の中に死体を発見!

ついにトレーシーが?・・・と思わせて、違う人物。少し安堵しました(複雑ですが)。

死体の男はサムでした。以前、警察署でお金を返せと喚いていた、浮浪者の老人です。

再登場するとは。しかもこんな形で。こうなってくると、今後もこのサムの一件は、ストーリーに絡んでくるのでしょうか。


今度はトレーシーが通っていた教会に事情聴取に来ました。

ベル牧師が登場。うーん、人は良さそうですが、少し天然? という感じがしますね。資金難とは言え、流石に教会で心霊術の集いはダメでしょう(笑)

で、フロストが色々と質問をしていくわけですが、この人ちょっと怪しい? というところがポツポツありますねー。

「牧師さん、司祭館のなかを捜索させていただきたい」

(中略)

「それは困る!」

このシーン、なーんかデジャヴを感じるなー、と思ったら、アップヒル夫人の客で英語教師のファーナムも同じような断り方をしてましたね。後ろ暗いことがあるんでしょう。

強行的に操作をしていくと、怪しい長持を発見! ん? 長持って何? と思って調べてみました。こんなものらしいです。タンスの箱バージョン?

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鍵を開けて、中を調べていくとぉ、・・・ポルノグラフィのオンパレード。あーほらー、やっぱりファーナムとおんなじようなパターン。でもこういうことにはフロストは寛容です。

しかし、オードリーがこの長持ちに寝そべる写真も出てきました。うーんこうなってくると、どうなんですかねー。トレーシーの失踪にも、この牧師が関わってるんじゃないかと疑ってしまいます。

その後、ベル牧師の奥さんが登場。この人も一風変わった人物の様で。

彼女は司祭館の居住スペースを案内すると申し出た。そして、昼食を一緒に食べていくように勧めた。フロストはシチュー鍋の中身をのぞくと、急いでその両方の申し出を辞退した」

鍋には何が入っていたんでしょうか(笑)

で、どうやらフロストの直感では、トレーシーはこの場所と無関係だということですが。果たして。

火曜日 2

アップヒル夫人の車と遭遇。それが気になりながらも、アーサーに話を聞きます。フロストは知らんぷりしていますが、実は昨夜、クライヴと、銀行の扉破損の犯人とおぼしき人物を目撃してるんですよねー。なぜ秘密にするんでしょうか。何か考えの上でのことなんでしょうけど。

「そいつはいい考えだ、アーサー。あんたのおかげで、でぶにも脳みそがあるってことが、よくわかった……」

しかし強烈な皮肉(笑) で、それを尻目に、アップヒル夫人が大量のお金を引き出すところを目撃します。

真っ先に頭に浮かぶのは、トレーシーが誘拐されていて、アップヒル夫人がこっそり身代金を渡そうとしている、という筋ですが、どうもフロストは違うシナリオを考えているようです。でも、アップヒル夫人が誰かをゆするとして、それは何のために? 話に深みが出てきましたねー!


警察署でマレットが喚いています。何かなー、と思ったら、やっぱり火種はフロストでした(笑)

捜査会議をすっぽかしていたと。それも2度目。これはさすがのフロストもあせりぎみですねー。

ひとつのことに集中したら、そればっかりになっちゃうんですよね。その気持ちは本当によく分かるのですが。

で、マレットの執務室に向かいますが、途中、警官がミッキーを連行しているところとばったり出くわします。ここでまた長話。早くマレットのところに行かなくていいのか(笑)

また忘れてミッキーの方に頭を突っ込むのかな、と思ったら、今度は違うようです。ちゃんとマレットのところに向かうようですね。

今度は直行かと思いきや、まず秘書のスミスに軽口を叩きます。この状況で、さすがフロスト(笑)

マレットが怒りに任せて口をパクパクさせている間、フロストは別のことをいろいろと考えて対処し、タイミングを見計らって、反省したような殊勝な顔をしてみせます。この小慣れた感じ(笑)

そして、その表情に心を動かされるマレット(笑) あれ? 段々とマレットのことが好きになってきました(笑)

で、マレットが、警察長から、霊媒師のマーサ・ウェンデルを頼ってはどうかという提案をされた旨を伝えます。えー!? 警察長は話がわかる人物なんじゃないかと思っていたんですが、この人も変人なのか!?(笑)


視点はミッキーに移ります。この人はちょっとかわいそうな感じもします。無実な気がするんですよねー。

フロストの尋問がスタートしました。うーん、やっぱり、バレる恐怖というより、冤罪を被せられる恐怖という感じがします。

が、ミッキーが日曜日のことをしゃべり始めました!! ・・・でも聞くと映画館がどうとか。やっぱりー。当てが外れたみたいですね。まあ別のことはやらかしていたということですが。

しかしフロスト、いじめっ子よろしく、口を開くたびに相手をおちょくります(笑)

「ひょっとしてあんた、まさか、このおれがこの子を……?」

「子ども絡みの事件で、おまえさんを無視するわけにはいかないじゃないか、ミッキー。お呼びがかからなかったら、気を悪くするだろう?」

さて、その取り調べの調書をウェルズに依頼しますが、その際サムのことが話題になります。ウェルズもなんだかんだで根はいい人ですよね。

で、フロストが今抱えているtodoリストが復習されています。これは読者にやさしい構成ですね。僕も大分こんがらがってきていたので。

やることをまとめた結論、クライヴの帰還後にフロストが向かうべきは、マーサ・ウェンデルの家となりました。彼女はどんな変人なんでしょうか(笑) その片鱗はいままで見せてきましたが。


クライヴが、アップヒル夫人宅から手紙を持ち帰ってきました。やっぱり脅迫状が届いていたようですね。

そこにマレットが登場。・・・何しに来たんだ?(笑)という会話だけして帰ります。

クライヴが使いに走る。何だかんだ言って、クライヴ、フロストの指示に忠実に従ってますよね。見直してきました。

で、フロストは自分が書いたメモを発見。これ、ファーナムの伯母に裏を取りにいくってやつですよね! 本人は忘れてますが。まぁこれだけ色々とやることが重なると、フロストじゃなくてもそうなりますよねー。これが悪い方に転がらなければいいのですが。


サンディと会食。記者に提供するようなネタがあったかなーと思ったのですが、ミッキーの話を提供しました。確かにこの話題は主婦の井戸端会議などで盛り上がりそうです(偏見)。週刊誌的ですね。

で、話は変わって店内の一人の女性の話題に。重要人物? と思いましたが、まんまと騙されました(笑)

「ほう、まだ現役で活躍中か」とフロストは言った。「おれが覚えている頃のシンシアは、実に気のいい女だった。(中略)そのへんの女どもみたいに、義理でやってやってるなんて顔はちらっとも見せなかった」

「それははるか昔の話だよ、ジャック。今じゃ、前金を要求する」

(中略)

「だったら、釣り銭を用意しといてほしいな」とフロストは言った。「一ポンド札しか持ち合わせがなかったときのために」

単なるプロの女性でしたー。いつものフロストでした(笑)

「それで、今後の手だては考えたかね、警部?」
「そう、まずはアップヒル夫人の家の電話に盗聴装置を仕掛けることかな。(中略)あ、そうそう、署長が彼女の馴染み客なんだったら、申告してくださいよ。そのあいだは、装置をオフにしておくようにするから」

今回は、至る所でフロストの良さが光ってましたねー。その分、相方のクライヴの影が薄かった気がしました。次回は、わたしが気になっているクライヴの恋愛模様の進展を期待しております!(笑)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

「火曜日 4」まで読んだらこちら

『生き抜くための高校数学』 part 2 「1. 2 有理数と無理数」

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まだ読み始めて少しですが、すでに良書間違い無いですねー。 簡素で、かつ本質を捉えていて・・・ これは良い本を選びました!!

将来、このままを子供に教えてあげたいなぁー、と皮算用(彼女もおりません 笑)

まだお持ちでない方は是非手に取り、お付き合い頂ければ!!

有理数と無理数

冒頭で、2乗すると素数になる正の数は無理数になるという性質の証明が背理法で行われています。

性質がある、というだけで終わらずに、証明を紹介してくれるのはありがたいですねー。

素数をpと置きます。 すると、「2乗すると素数になる正の数は有理数である」という文章を式にすると、

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となります。ここで、mとnは自然数。

式変形すると、

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ここで、

  • mを素因数分解した時の素数の個数をs
  • nを素因数分解した時の素数の個数をt

とすると、おのずと * m2を素因数分解した時の素数の個数は2s * n2を素因数分解した時の素数の個数は2t

となりますよね。

で、先ほどの式の左辺、右辺それぞれを素因数分解したら、素数が何個になるのかを調べます。すると、pは素数の1つなので、

  • 左辺:2s+1[個]
  • 右辺:2t[個]

sもtも整数なので、2s+1は奇数、2tは偶数ということになります。

奇数と偶数が等しい、というのはありえないので、両辺で、素因数分解した時の素数の数が異なることになりますね。

でも、方程式である以上、両辺は全く同じ数なわけです。

素因数分解は一意的なので、これは矛盾。

よって、2乗すると素数になる正の数は有理数ではない。つまり無理数ということが証明されました。


ルート計算の練習問題が3問あります。

手ぇ動かしていくぜー!

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いやー、初っ端からボケをかましました(笑)

皆さんはいかがだったでしょうか。


お次は少数。

割り切れない分数は循環小数になる

という性質の説明がなされていますね。実際に無理数を筆算してみればいいんですねー。これは分かりやすい!!


続いて、この循環小数について

循環小数は必ず分数になる

という性質の証明。というか分数への変換方法の解説が、具体例を用いてなされていますね。

この説明も、これ以上簡略化できないので簡略(手抜きではありません)

次の例は、(中略)、中学生としては少し難しいのかもしれません。計算問題の練習について、初めての内容に関するものは「やさしいものをゆっくりと!」が大切です。

著者の「難しく感じても大丈夫だよ」というやさしさが伝わってきました。本当に一人でも多くの人に、数学のおもしろさ、奥深さを知ってほしいんでしょうねー。

それでいて実用性まであるときたら、学ばない手はありませんね!!

それではまたー!!

あいつに書こう! - 『 超スピード文章術』 part 6 「第4章 素材を読みやすい順番に組み立てる」

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最近、読みたい本が溜まってきてます。

仕方ないので← 更新ペース上げていきます!!

part 5 はこちら

全素材を「目に見える状態」にすると段違いにスピードが上がる

素材を見える状態にするというのは、まあ普通はそうしますよね。せっかく集めた素材をフル活用しない手はないので。

ここで言いたいのは、集めた素材が、スマートフォンだったり、手帳だったりと、いろんな媒体に分散している場合は、それを同時に閲覧できる状態にするべき、ということかなーと思いました。

「しゃべるように書く」と必ず伝わる理由

素材が全て見える状態にしたところで、章題の、素材を組み立てる手法に入ります。

これは個人的に新しい視点でした。

私の方法は、極めてシンプルです。

「目の前に読者がいるとして、その相手にしゃべって伝えるならどんな順番にするか?」を考えるのです。

人にしゃべるシミュレーションをすることが、構成を考える役に立つ、というのが斬新ですねー。

でも、何故でしょうか。

話して伝わらなかったとき、相手はどんな「反応」をするか?

重要なことは、おしゃべりでは、あなたの言いたいことが伝わらなかったとき、相手からすぐに「反応」があるということです。

(中略)

文章は、「伝え直す」ことができないのです。

文章だと、伝わらなかったらそれっきり、というわけですね。

こう言われると、むしろ文章の方が、リスクがある分、無意識に伝わりやすい構成にするんじゃないかという気がしますが・・・。なぜ、しゃべるシミュレーションをする必要があるのでしょうか。

「目の前」に読者がいると思えば、自然と順番が決まる

実際にシミュレーションの会話文があって、非常に分かりやすいですね。

読者が目の前にいることを想像して、その読者に、最初から最後まで興味をもってもらえるように素材を組み立てる、ということですね。

で、しゃべるときは誰しも自然とそれができてるでしょ? なら、それをシミュレーションすれば文章でもできるよね、という話ですね。

分かりやすい。ただ、前節の内容は果たして必要だったのかなーと感じました。

スラスラ読める文章の「入口」と「出口」

基本的に、文章を積極的に読みたがっている人はいないということが書かれています。

・・・反射的に反論したくなる人も多いのではないでしょうか?(笑)

でもここは謙虚に受け止めて、それを前提として、人に最初から最後まで文章を読ませるには何を意識するのがもっとも有効なのか。それは書き出しである、ということですね。

絶対に「常套句」から書き始めてはいけない

最初に読者が目を向ける書き出しの部分に、読み飛ばされても全く問題ないような文を書くと、全文を読み飛ばされるよ、ということですね。これは非常に納得。

常套句がダメな理由は分かりました。

ですが、大多数の人は、むしろここで、凝った表現を思案して「あーでもない、こーでもない」と、時間を浪費するタイプなんじゃないでしょうか。僕もそうですが。何か指針みたいなものがあればありがたいですよね。

書き出しの役割は「その先」を読みたいと思ってもらうこと

要は、読者に何らかの衝撃を与える文章にしよう、ということでしょうか。

例として挙げられているライザップの記事の書き出しは、確かに「そうそう!」と共感できます。

書き出しだけは「作家」に学んでもいい

いろいろ言ったけど、やはりここはセンスが必要、ということでしょうか(笑)

まあでも、「作家さんが、書き出しの部分にどんな種類の印象や衝撃を与えようとしているのか」を意識して学ぶのとそうでないのとでは、得られるものが違ってくるんじゃないでしょうか。

斬新な書き出しを自分でコレクションしてもいいかもしれませんね。

「オチ」にこだわらず「まとめ」を書くと読後感がいい

今度は文章の最後、「締め」をどうするかです。

ここは無理に意表をつくものである必要はなく、普通に「まとめ」や「結論」でいい、としています。

書き出しより簡単でありがたいですね!

10倍速く書ける 超スピード文章術

10倍速く書ける 超スピード文章術

part 5 はこちら

始めから、いわゆるロジカルシンキングや、誰かが作った文章の「型」にはめようとしなくていいのです。
目の前の相手に伝わるように素材を組み立てるときに初めて、その人にもっとも伝わりやすい論理が生まれるのです。

前章で、具体的な読者をはっきりとイメージした効果が、ここでも発揮されるわけですねー! 取り入れるのも簡単で非常に優秀な手法ですねー。

次章は、「一気に書き上げる」です! ついに、実際に文章を書く段階に入るみたいですね。

より実践的な内容が期待できますね!! それではまたー!!!!

10倍速く書ける 超スピード文章術

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「第5章」までよんだらこちら

『生き抜くための高校数学』 part 1 「1. 1 整数」

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それでは、さっそく読み進めていくとしましょう!

1. 1 整数

よく考えてみると、2人、2個、2m、-2℃はすべて異なる物事の実例です。つまり、2という整数は、じつはとても抽象的なものです

言われてみればそうですよね。当たり前になりすぎて気付きにくいですが。

単位というまとまりの発明が、整数の活躍につながった、という言い換えもできるでしょうか。

5世紀から9世紀にかけてインドで発見された「ゼロ」は、最も意義のあるものだといえるでしょう。それは、ある位がない(空位)ことを表す印としての0と、計算に用いる数字としての0の、両方の意味を兼ねた「ゼロ」の発見だったからです。

0という数字の発見のすごさ、というのはよく言われることですが、0が当たり前になっているわたしたちにはなかなかピンときませんよねー。

そんな中、この説明は端的で非常に分かりやすいです。

問題

正解には5点もらえ、間違うと3点減点される計算問題を100題解いたところ、合計得点は300点であった。正解の個数を求めよ。ただし、無解答はないとする。

これは単純な方程式の問題ですね。正解の個数をxと置いて、

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で、正解が75個あった、ということが分かります。

本題はここからで、この問題を作成する立場になって考えみよう、とのこと。ここで挙げられているのは、文章中の合計得点を、300点ではなく280点として問題を作った場合です。その問題を解いてみると、

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となり、正解が72.5問だった、ということになります。しかし、(△のような採点がなければ 笑)問題は正解か、不正解かのどちらかなので、0.5のような小数にはなりえない、よってこの問題は、そもそも問題としておかしい、となるわけです。

このことから、

整数は珍しい存在の数であることを認識できる

としています。

このためにこんな例を持ってきたあたり、著者のこれまでの苦労が伺えますね(笑)


次は素数の説明。

  • 1つ目は、自然数をどのように素因数分解しても、答えは1通りになりますよーという性質、
  • 2つ目は、整数aと自然数bを適当に決めた時に、次の式f:id:nobi2saku:20190105214629j:plainが成り立ち、この式にあるq、rという整数は1通りになりますよーという性質。

この2つも、そりゃそうだよなーという感じですね。特に2つ目は、記号が何個もあって複雑に感じるかもしれませんが、割り算の商と余りは1通りになる、ということを言ってるだけですので、アレルギーの方もご安心ください(笑)

この性質の応用例として、以下の問題が出題されています!

問題

2014年の元旦は水曜日だった。2024年の元日の曜日を求めよ。

ただし、西暦n年がうるう年であるかどうかは、次のように定めている。

(ア)nが400の倍数の年はうるう年。

(イ)nが100の倍数であって400の倍数でない年は平年。

(ウ)nが4の倍数であって100の倍数でない年はうるう年。

面白い問題ですね。10年後に曜日はどうなっているのか。

まず、その10年のうち、何年が平年で、何年がうるう年かを考えてみましょうか。

2014年から2024年まで間は、問題の(ア)と(イ)に該当する年がないのが明らかなので、単純に(ウ)の、4の倍数の年がうるう年、と考えて大丈夫そうです。

ということは、2016, 2020年の2年がうるう年ですね。それ以外の8年は平年。

で、平年では、1年ごとに曜日がいくつ進むのか、ですが、これは、1年を1週間で割ってみると、

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となります。平年の1年は52週と1日であることが分かります。

自ずと、うるう年の1年は52週と2日なことも分かりますね。

一年が経つごとに、この1日、2日の分だけ曜日が進むわけですから、2014年から2024年までの10年で、8年が平年、2年がうるう年なので、

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ということで、12日分の曜日が進むことになります。1週間は7日なので、12を7で割ると、1余り5。

5日分進むのと同じ曜日になることがわかるので、水曜日から5日進めると・・・

月曜日!!

つまり、2024年の元日は月曜日!! ということになるわけですね。


最後に定理の証明。

素数は無限個存在する。

この定理を証明してみよう、というわけですね。

この証明、2006年という比較的最近に、サイダックという数学者が、いままでよりわかりやすい証明を発表したそうです。一般人の私たちがわかるような証明が近年も発明されている、というのは驚きました。

この証明の準備として、

2以上の任意の(勝手にとった)自然数mに対し、mとm+1は互いに素

という性質を理解しておく必要があるとのこと。

この性質を、まず背理法で証明しています。

mとm+1が共通の約数(公約数)aを持つと仮定して、矛盾したら、公約数を持たないことになる、というわけですね。

上記の太字を式に変換すると、

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右の式から左の式を引いてみると、

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上の式は成り立ちません。 なぜかというと、aは約数なので、2以上の自然数でなくてはなりません。 また、bは自然数なので、cも自然数です。

式が矛盾していて、成立しないので、

2以上の任意の(勝手にとった)自然数mに対し、mとm+1は互いに素

は正しいわけですね。

実際に適当な数で試してみましょうか。

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公約数がないのが確認できます。


で、本題のサイダックによる、素数が無限個存在することの証明です。

まず、

n : 2以上の自然数 p1 : nの約数で、かつ素数 p2 : n+1の約数で、かつ素数

を定義します。

先ほど証明した、

2以上の任意の(勝手にとった)自然数mに対し、mとm+1は互いに素

の性質があるので、p1とp2は違う素数になります。

次に、

p3 : (n+1)+1の約数で、かつ自然数

を定義します。p3とp2の関係は、p2とp1の関係と同じなので、これも別の素数です。

さら、

p4 : {(n+1)+1}+1の約数で、かつ素数

を定義。これもp3とは別の素数で、p1、p2とも異なる。

p5、p6、p7と、これ以降も延々と違う素数ができるので、素数は無限個存在すると言える、ということです。

「ひとつがいの雉も2日も、ともに2という数の実例であることを発見するには長い年月を要したのである」

実は深い、整数の世界。今回は哲学的な話が多かったですね。こういうところをつっこんでいくと、深淵に沈んでいきそうです(笑) みなさんはいかがだったでしょうか。

どんな感じで記事にしようか散々迷いましたが、今回は、問題の解き方を、僕の言葉に置き換えていく、という感じにしました。ご意見あればぜひぜひ!!

おれんちよってく? - 『クリスマスのフロスト』 part 4 「月曜日 5 〜 6 」

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あけましておめでとうございます。 今年も楽しめる範囲で地道に更新していく所存です。これからもどうぞよしなに。

これを書いているのは1月3日なんですが、先程スーパーに行ってみると、まだ人でごった返していました。そういうのを見ると、子供の頃を思い出したりして幸せな気分になってきますねー。そして今、売れ残りの巻き寿司と日本酒をお供に、今このブログを執筆しているわけです。

あああ、至福の読書ターイム。

part 1 はこちら

part 3 はこちら

月曜日 5

アレン警部、憎まれ役ですが気持ちは分からなくもないんですよねー。アレン警部の立場だったらそう考えるのも仕方ないのかなーという感じ。そしてダウン。

マレットが後任の指揮官を求めて警察長に電話。この、ピンチをチャンスにする発想は流石だなーと思いました。まあ失敗しちゃいましたが。警察長のフロストへの信頼の厚さが伝わってきます。前回の勲章の件と関係があるのでしょうか。

そして、ジョニーとの談話のくだり。好人物ですねー。誰の悪口も言わないって感じで。 フロストの人物像も深められました。勲章のことも教えてくれましたね。非常に親切。ちなみに、こういうものらしいです。

f:id:nobi2saku:20190205222539j:plain (Wikipediaより)

ただ、この人の奥さんが一癖あるみたいで・・・運命は残酷。フロストは本気で心配しているんでしょうね。

で、仕事を引き継ぐにあたり、捜査本部で状況を把握。なんだかんだでアレンと同じ指示を出しているわけですから、フロストも相当優秀ですよね。

ジョーダン巡査がバウジー夫人に、ミッキーについて聞き込みます。 ミッキーは日曜からずっと留守、と。

「妙だとは思いませんでしたか?」

「今度の日曜までの家賃を貰ってるんだよ。だったら、なんで、あたしがしんぱいしなくちゃならない?」

非常に気持ちがいい答えです(笑)

その後の、操作本部のフロスト。

「パウジー小母さんは、ミート・プディングをこしらえながら、同じ鍋で、ハンカチを煮沸消毒してたよ」フロストはおぞましい思い出に身を震わせた。「あのハンカチの行く末を思うと、おれは今でも胸が痛む」

大雑把すぎるー(笑)

パウジー夫人の話がもっと聞きたくなりますね。

で、マーサ・ウェンデルの思わせぶりな手紙のくだりがあって小銭消失事件、勲章発見。

勲章の話ということで、最初は自慢話になるのかなーと思ったんですが、誇らしかったこと、奥さんも喜んでくれたこと、でも本当は自分が向こう見ずなだけだったこと。 自分をひけらかすのではなく、正直で率直な思いを淡々と語っていきます。話の緩急にやられちゃいますねー。そして、電話でオードリーという新しい手がかりがみつかります!

で、オードリー宅へ。オードリーのお母さんがいいキャラしてます。空振りかな? と思わせてー

「さて、お嬢さん||きみのお母さんは、きみがお母さんの大事なコートを借りたことを知ってるのかい?」

うおおー、鳥肌ものでした!! フロストやりますねー! 話の引き出し方も本当に巧みでしたし、キャラクターにもマッチしていて、名シーンと言っていいのではないでしょうか!!

そして、帰るシーン。クライヴがされげなく婦人警官を自宅に誘います・・・。いやー僕大好きなんですよー! こういう不意にくる恋愛展開(笑)

ドキドキ、ドキドキ、ドキ・・・フロストーーーーいいところでお前!!!!

まあ仕方ないか。

月曜日 6

トレーシーが身につけていたと思われるマフラーが、オールド・ウッドの森で見つかります。これは、新たな展開へ、というより、これまでのフロストの推論の正しさを示すものですね。 フロストがあやうく湖に落ちそうになったことから、トレーシーも、もしかすると? と想像してしまいます。生きていて欲しいです。

2人はアップヒル夫人のところへ、マフラーの件を確認しに行きます。このとき、アップヒル夫人が用向きを尋ねない、というのが印象的でした。最悪のケースに備えて覚悟をかためている最中、というところでしょうか。

そして警察署へ。 マレットのジャガー? 一瞬何のことかと思いましたが、これ、フロストが初登場のときにぶつけてたやつですね! 

「それは、それは。ひどいことをするやつがいたもんだ。早く犯人が見つかることを祈ってるよ」

この男はぬけぬけと(笑)

その直後、マレットから書き置きがある旨を知らされます。ジャガーの件がばれた? と思いましたが、チラチラ登場している統計用資料のことでしたね。

手慣れた感じで文書偽造をはたらきます。これは常習犯ですね(笑)

その後、街に繰り出します。時間は深夜の一時。訳も分からずクライヴは一時間銀行の見張りをします。これはつらい。

と、銀行の扉を壊そうとする不審者が。これはどう考えてもあの銀行の扉の件の犯人でしょう。当然、逮捕できる! と思うのですが、フロストが留めます。

「坊や、頼みがある」とフロストは言った。「このことはしばらくのあいだ、黙っていてくれ」

いったいどう意図があるんでしょうか。

「どうだろう、途中でぼくの部屋に寄って、コーヒーでも飲んでいかない?」
驚いたことに、彼女はその誘いに同意した。

謎が増えて、解決して、増えて、増えて、と、一歩進んで二歩下がっていましたが、新たにクライヴの恋模様という要素が加わりました。ページをめくる推進力が目白押しです(笑)

ようやく長ーい月曜日が終わり、話は中盤。解決パートもちらほらでてくる頃でしょう。次の章は期待してしまいますね!

それではまた次回!!

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

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「火曜日 2」まで読んだらこちら